この記事では、米国の高配当ETF「JEPI」について、2026年10月時点の最新データで特徴・配当・新NISAでの扱い・メリットとデメリットを解説します。
この記事の結論
- JEPIは米国大型株+オプション取引で年8%前後の分配金を毎月出す高配当ETF
- 新NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)では買えない。投資信託版の「楽天・JEPI」も毎月決算型のため対象外とされている
- 資産を大きく増やしたい人より、毎月の現金収入(インカム)を重視する人向け
- 分配金で毎月1株ずつ買い増すには約210株、月1万円の分配金を得るには約245株が目安
JEPIとは何か?
JEPI(JPMorgan Equity Premium Income ETF)は、JPモルガン・アセット・マネジメントが2020年5月に設定したアクティブ運用のETF(上場投資信託)です。純資産は約460億ドル(2026年10月時点)と、カバードコール系ETFの中でもトップクラスの規模があります。
JEPIが提供する投資機会とは?
JEPIは、安定した配当と値動きの穏やかさを求める投資家に向けたETFです。S&P500の中から値動きが比較的小さい大型株を選んで保有し、さらにオプション(コールオプション)を売ることで得られるプレミアム収入を、株の配当と合わせて毎月分配します。
カバードコール戦略をかんたんに言うと
「株を持ったまま、その株を決めた価格で買える権利(コールオプション)を他の人に売り、その代金(プレミアム)を受け取る」という戦略です。横ばいや緩やかな相場では、このプレミアムが上乗せの収入になります。その代わり、株価が大きく上がった時の値上がり益は一部しか受け取れません。
新NISAには使えるのか?
結論から言うと、JEPIは新NISAの成長投資枠でも、つみたて投資枠でも投資ができません。
新NISAの成長投資枠には金融庁が定めた商品の基準があり、次のような商品は対象から外されています。JEPIは毎月分配を行い、運用にオプション(デリバティブ)を使っているため、この基準に当てはまってしまいます。
- 毎月分配型の商品
- ヘッジ目的以外でデリバティブ取引を使う商品
- 信託期間が20年未満の商品(投資信託の場合)
投資信託版の「楽天・JEPI」ならNISAで買える?
2026年5月には、JEPIに投資する投資信託「楽天・米国大型株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)」(愛称:楽天・JEPI)が設定されました。円で100円から買えるのが特徴ですが、毎月決算型のため新NISAの対象外とされています。実質的なコストもJEPIを直接買うより高くなる点に注意が必要です。購入前に各証券会社のページで最新の取り扱いを確認してください。
では、一般枠(特定口座)でも買いなのか?
キャピタルゲインの恩恵を受けたい。つまり、資産を拡大したいという方には向いてないと思います。なぜなら、このETFは毎月配当が入り、そのたびに米国で10%、日本で20.315%の税金がかかってしまうからです。ほかのETFなどでは分配金を減らしてその分を再投資に自動的に回すことでキャピタルゲインを大きくしてくれるものもあるので、そちらにした方がよさそうです。(税金を売却益が出た際に支払うので、未来の自分に回しているイメージです。)
なお、米国で差し引かれた10%は、確定申告で「外国税額控除」を受けると一部を取り戻せます。特定口座で持つなら覚えておきたい制度です。
ただし、資産拡大ではなく、毎月お小遣いのように高い配当金がもらいたい!という方にはとてもおすすめだと思います。

私の当面の目標は、月の配当金を税引き後20万円入ってくることと定めているので現在は214株持っています。(2026年10月現在)
さすがに全ツッパではないですが今後も積み立てていく予定です。
JEPIの詳細情報(2026年10月時点)
JEPIの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄コード | JEPI |
| 運用会社 | JPMorgan Asset Management |
| 設定日 | 2020年5月20日 |
| 株価 | 56.85ドル(2026年10月23日終値) |
| 純資産 | 約460億ドル |
| 保有銘柄数 | 137銘柄 |
| 経費率 | 0.35% |
| 分配頻度 | 毎月 |
JEPIの配当利回り・権利落ち日
JEPIの直近12か月の分配金は合計4.56ドルで、配当利回りは約8.0%です(2026年10月時点)。分配金は毎月同じではなく、1株あたり0.34〜0.45ドルの間で動いています。
| 権利落ち日 | 支払日 | 1株あたりの分配金 |
|---|---|---|
| 2026年10月1日 | 2026年10月5日 | 0.3413ドル |
| 2026年9月1日 | 2026年9月3日 | 0.3714ドル |
| 2026年8月3日 | 2026年8月5日 | 0.3666ドル |
| 2026年7月1日 | 2026年7月6日 | 0.3872ドル |
| 2026年6月1日 | 2026年6月3日 | 0.3892ドル |
| 2026年5月1日 | 2026年5月5日 | 0.4476ドル |
| 2026年4月1日 | 2026年4月6日 | 0.4205ドル |
| 2026年3月2日 | 2026年3月4日 | 0.3513ドル |
| 2026年2月2日 | 2026年2月4日 | 0.3444ドル |
| 2025年12月31日 | 2026年1月5日 | 0.4271ドル |
| 2025年12月1日 | 2025年12月3日 | 0.3706ドル |
| 2025年11月3日 | 2025年11月5日 | 0.3464ドル |
※米国株は権利落ち日の前営業日までに保有している必要があります。

私が2026年1月〜10月に受け取ったJEPIの分配金は、合計912ドルでした。
JEPIの経費率
JEPIの経費率は0.35%です。アクティブ運用ETFの経費率はパッシブ運用に比べ高めに設定される傾向があり、1%前後とられるものもあることを考えれば良心的なコストといえるのではないでしょうか。
投資対象とポートフォリオ
JEPIが投資する主な銘柄
JEPIは約137銘柄に分散しており、1銘柄の比率は最大でも2%程度です。テクノロジーだけでなく、金融(カード決済を含む)、エネルギー、ヘルスケア、公益など幅広い業種に投資しています。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | アップル(AAPL) | 1.97% |
| 2 | マイクロソフト(MSFT) | 1.96% |
| 3 | マスターカード(MA) | 1.93% |
| 4 | ビザ(V) | 1.84% |
| 5 | アマゾン・ドット・コム(AMZN) | 1.81% |
| 6 | ネクステラ・エナジー(NEE) | 1.78% |
| 7 | スリーエム(MMM) | 1.78% |
| 8 | EOGリソーシズ(EOG) | 1.77% |
| 9 | アッヴィ(ABBV) | 1.76% |
| 10 | エヌビディア(NVDA) | 1.75% |
※2026年10月23日時点。上位10銘柄の合計は約18%です。
コールオプション取引の活用
JEPIは上記の大型の米国株のポートフォリオに加えて、S&P500のコールオプションを売る取引をベースとしたELN(エクイティ・リンク債)を組み入れています。このELNから得られるプレミアム収入が、高い分配金の主な原資になっています。
JEPIのメリット3選
- 毎月、高い分配金がもらえる:直近12か月の利回りは約8%。株の配当に加えてオプションのプレミアム収入があるため、一般的な高配当ETFより分配金が多めです。
- 値動きが比較的おだやか:値動きの小さい銘柄を選び、オプション収入がクッションになるため、相場が下がった時の下落がS&P500より小さくなりやすい設計です。
- 規模が大きくコストも低め:純資産は約460億ドルと大きく、売買しやすいETFです。経費率0.35%はアクティブETFとしては低い水準です。
JEPIのデメリット3選
- 上昇相場では置いていかれる:コールオプションを売っているため、株価が大きく上がった時の値上がり益は一部しか受け取れません。長期の資産拡大ではS&P500連動ETFに負けやすい点は理解しておきましょう。
- 分配金は一定ではない:オプションのプレミアムは相場の変動の大きさで変わるため、分配金は毎月変動します。直近1年の分配金は前年より約4%減りました。
- 税金面で不利:新NISAが使えず、分配のたびに米国10%・国内20.315%の税金がかかります。複利で増やしたい人には効率がよくありません。
JEPIと似た高配当ETFとの違い
同じ「高配当」でも、仕組みが違うと値動きや分配金の性格が変わります。当ブログで解説している主なETFと比べると、次のとおりです。
※HDVは2026年6月から毎月分配に変わったため、新NISA成長投資枠では新たに買えなくなりました(すでにNISAで持っている分は非課税のまま保有できます)。取り扱いは証券会社によって異なる場合があるので、各社のページで確認してください。
NISAで高配当ETFを持ちたい場合は、SPYDのような年4回分配で「株の配当」を出すETFや、SCHDに投資する投資信託(楽天・SCHD、SBI・SCHDなど)が候補になります。より高い利回りを求めるならQYLDやXYLDもありますが、値上がり益はJEPI以上に限られます。
JEPIはどんな人に向いている?
向いている人
- 毎月の現金収入(インカム)を重視したい人
- 値動きの大きさを抑えながら米国株に投資したい人
- NISA枠は別の商品で使い切っていて、特定口座で高配当を狙いたい人
向いていない人
- 20〜30年かけて資産を最大限増やしたい人
- 新NISAの非課税メリットを最大限に活かしたい人
- 分配金の額が毎月変わることを気にする人
まとめ
JEPIを分配金で毎月1株買うには何株必要?
JEPIの株価は約57ドル、毎月の分配金は平均で約0.38ドルです。米国10%・国内20.315%の税金を引くと、1株あたりの手取りは月に約0.27ドルになります。
57ドル ÷ 0.27ドル = 約210株。つまり、約210株あれば毎月の分配金で1株ずつ買い増せる計算です(外国税額控除は考慮していません)。
月1万円の分配金を得るには何株必要?
1ドル=150円で計算すると、月1万円は約67ドルです。手取り0.27ドル/株で割ると約245株、金額にして約1万4,000ドル(約210万円)が目安になります。為替や分配金の変動で必要な株数は変わるので、あくまで目安として考えてください。
最後に
米国のETF「JEPI」の特徴や投資のメリット・デメリット、新NISAでの扱いなどを2026年10月時点の最新データで解説しました。
このETFは値上がり益も狙えるとは謳っていますが、やはり基本的には安定した高い配当収入を求めるインカム志向の投資家にとって魅力的なETFです。途中にも書きましたが、私自身も購入しており、複利の恩恵を受けられるようこれからも積み立てるつもりです。
何よりも、働かずに毎月お金が入ってくる仕組みを作れる部分に魅力を感じる人にとって、良い選択肢の一つになるのではないかと思います。
※本記事のデータは2026年10月23日時点のものです(出典:JPMorgan Asset Management、stockanalysis.com、楽天証券ほか)。投資の判断はご自身の責任で行ってください。


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