この記事では、米国の高配当ETF「QYLD」について、2026年10月時点の最新データで特徴・配当・新NISAでの扱い・メリットとデメリットを解説します。同じナスダック100を対象にするJEPQや、値上がり益を狙うQQQとの違いもまとめました。
この記事の結論
- QYLDはナスダック100の株を持ち、そのコールオプションを売ることで年11%台の分配金を毎月出す高配当ETF
- 新NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)では買えない。毎月分配で、オプション(デリバティブ)を使っているため
- 値上がり益はほとんど期待せず、毎月の現金収入を最優先したい人向け。分配金は1株あたり月0.17〜0.19ドル前後でほぼ横ばい
- 分配金で毎月1株ずつ買い増すには約143株、月1万円の分配金を得るには約521株が目安
QYLDとは何か?
QYLD(Global X Nasdaq 100 Covered Call ETF)は、Global Xが2013年12月11日に設定したETF(上場投資信託)です。「Cboe Nasdaq-100 BuyWrite V2指数」という指数に連動するように運用されており、純資産は約84億ドル(2026年10月29日時点)と、カバードコール型のETFとしては大きな規模を持っています。
QYLDが提供する投資機会とは?
QYLDは、毎月の高い分配金を何よりも重視する投資家に向けたETFです。ナスダック100指数の構成銘柄(約100銘柄)を保有しながら、ナスダック100指数のコールオプションを売り、そのプレミアム(オプションの代金)を主な原資として毎月分配します。
投資家はQYLDを通じて、エヌビディアやアップル、マイクロソフトといった米国の大型ハイテク株に間接的に投資できます。ただし後で説明するとおり、株価が上がった時の値上がり益はほとんど受け取れない仕組みです。
カバードコール戦略の仕組みをかんたんに言うと
カバードコールとは、「株を持ったまま、その株を決めた価格で買える権利(コールオプション)を他の人に売り、その代金を受け取る」という戦略です。QYLDは保有する株のほぼ全体に対して、毎月コールオプションを売っています。
相場が横ばいや下落のときは、受け取ったプレミアムがそのまま上乗せの収入になります。一方で、株価が大きく上がっても、上がった分は基本的にオプションの買い手のものになります。「値上がり益を手放す代わりに、毎月の現金収入を受け取る」と考えるとわかりやすいと思います。
同じくナスダック100のオプション収入を使うJEPQは、アクティブ運用で銘柄を選び、ELN(エクイティ・リンク債)という債券を通じてオプションを売る設計です。保有する株のほぼ全体にオプションを売るQYLDは、より「分配金に全振り」した設計といえます。
新NISAには使えるのか?
残念なことに、QYLDは新NISAの成長投資枠でも、つみたて投資枠でも投資できません。
新NISAの成長投資枠には金融庁が定めた商品の基準があり、次のような商品は対象から外されています。QYLDは毎月分配を行い、運用の中心にコールオプションの売り(デリバティブ取引)を使っているため、対象外となる条件に当てはまってしまいます。
- 毎月分配型の商品
- ヘッジ目的以外でデリバティブ取引を使う商品(カバードコール型のETFなど)
対象かどうかは各証券会社のサイトに表示されるので、念のため購入前に、お使いの証券会社の「成長投資枠の対象銘柄」で確認してください。
東証上場の「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)」は?
日本のGlobal X Japanからは、QYLDに投資する東証上場のETF「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF」(証券コード:2865)も出ています。円で取引でき、毎月10日が決算日の毎月分配型です。実質的なコストは年0.6275%程度で、QYLDを直接買うよりわずかに高くなります。こちらも毎月分配でカバードコール戦略を使う商品のため、新NISAの成長投資枠で買えるかどうかは、購入前にお使いの証券会社で確認をしてください。
では、一般枠(特定口座)でも買いなのか?
キャピタルゲイン(値上がり益)の恩恵を受けたい、つまり資産を大きく増やしたいという方には向いていないと私は思います。なぜなら、このETFは毎月分配金が入り、そのすべてに税金(米国で10%、日本で20.315%)がかかってきてしまうからです。ほかのETFなどでは分配金を少なくして、その分を値上がり益として育ててくれるものもあるので、資産拡大が目的ならそちらにした方がよさそうです(税金を売却益が出た際に支払うので、未来の自分に回しているイメージです)。ナスダック100の成長をそのまま取りたいならQQQが候補になります。
なお、米国で差し引かれた10%は、確定申告で「外国税額控除」を受けると一部を取り戻せます。特定口座で持つなら覚えておきたい制度です。
ただし、資産拡大ではなく、毎月お小遣いのように高い分配金をもらいたい!という方には良い選択肢だと私は思います。

私の当面の目標は、月の配当金を税引き後20万円入ってくることです。この目標は今も変わっていません。QYLDはSBI証券と楽天証券で合わせて946株保有しています。(2026年10月時点)
2024年3月時点では426株だったので、その後も積み立て・買い増しを続けてきました。さすがに全ツッパではないですが、今後も積み立てていく予定です。
では、その他参考になる情報をここから書いていきたいと思います。
QYLDの詳細情報(2026年10月時点)
QYLDの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄コード | QYLD |
| 運用会社 | Global X Management Company LLC |
| 上場取引所 | NASDAQ |
| 設定日 | 2013年12月11日 |
| 連動する指数 | Cboe Nasdaq-100 BuyWrite V2指数 |
| 株価 | 18.34ドル(2026年10月29日、市場価格) |
| 52週の値幅 | 16.63〜18.76ドル |
| 純資産 | 約84.1億ドル |
| 保有銘柄数 | 102銘柄 |
| 経費率 | 0.60% |
| 分配頻度 | 毎月 |
QYLDの配当利回り・権利落ち日
QYLDの直近12か月の分配金は合計約2.14ドルで、配当利回りは約11.7%です(2026年10月時点)。分配金は1株あたり月0.17〜0.19ドル前後で、2024年4月にこの記事を書いた頃(0.17〜0.18ドル前後)からほぼ横ばいです。直近1年の分配金は前年より約3%減りました。権利落ち日は毎月20日前後(下旬の月曜日が多い)です。
| 権利落ち日 | 支払日 | 1株あたりの分配金 |
|---|---|---|
| 2026年10月19日 | 2026年10月22日 | 0.1826ドル |
| 2026年9月21日 | 2026年9月24日 | 0.1767ドル |
| 2026年8月24日 | 2026年8月27日 | 0.1829ドル |
| 2026年7月20日 | 2026年7月23日 | 0.1775ドル |
| 2026年6月22日 | 2026年6月25日 | 0.1854ドル |
| 2026年5月18日 | 2026年5月21日 | 0.1785ドル |
| 2026年4月20日 | 2026年4月23日 | 0.1789ドル |
| 2026年3月23日 | 2026年3月26日 | 0.1715ドル |
| 2026年2月23日 | 2026年2月26日 | 0.1771ドル |
| 2026年1月20日 | 2026年1月23日 | 0.1786ドル |
| 2025年12月22日 | 2025年12月30日 | 0.1779ドル |
| 2025年11月24日 | 2025年12月2日 | 0.1728ドル |
※米国株は権利落ち日の前営業日までに保有している必要があります。
なお、Global Xは、QYLDの分配金には「元本の払い戻し(リターン・オブ・キャピタル)」が含まれる場合があると説明しています。利回りが高く見えても、その一部は自分が出したお金が戻ってきているだけ、という可能性がある点は覚えておきましょう。

私の2024年3月分の分配金は、68.25ドルでした。
QYLDの経費率
QYLDの経費率は0.60%です。ナスダック100にそのまま連動するQQQ(0.18%)や、JEPQ(0.35%)と比べると高めです。オプション取引を使うETFの中には1%前後かかるものもあることを考えれば極端に高いわけではありませんが、長く持つほど差が効いてくる点は意識しておきたいところです。
投資対象とポートフォリオ
QYLDが投資する主な銘柄
QYLDはナスダック100指数の構成銘柄を保有しているため、中身はほぼナスダック100そのものです。エヌビディアやアップルなど大型ハイテク株の比率が高く、上位10銘柄だけで約47%を占めています。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | エヌビディア(NVDA) | 8.23% |
| 2 | アップル(AAPL) | 8.14% |
| 3 | マイクロソフト(MSFT) | 6.29% |
| 4 | マイクロン・テクノロジー(MU) | 4.65% |
| 5 | アマゾン・ドット・コム(AMZN) | 4.20% |
| 6 | アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) | 4.08% |
| 7 | テスラ(TSLA) | 3.39% |
| 8 | メタ・プラットフォームズ(META) | 2.97% |
| 9 | スペースX(SPCX) | 2.72% |
| 10 | アルファベット クラスA(GOOGL) | 2.66% |
※2026年10月29日時点(Global X公式)。上位10銘柄の合計は約47%です。2026年7月にナスダック100に採用されたスペースX(SPCX)も9位に入っています。
コールオプション取引の活用
QYLDは上記の株式に加えて、ナスダック100指数のコールオプションを毎月売っています。このプレミアム収入が分配金の主な原資です。一方、株の配当による収入はわずかで、Global Xが公表している30日SEC利回り(経費を差し引いた配当・利息収入の目安)は0.00%(2026年10月29日時点)となっています。分配金のほとんどはオプション収入に頼っているということです。
QYLDのメリット3選
- 毎月、とても高い分配金がもらえる:直近12か月の利回りは約11.7%。ナスダック100のオプションのプレミアム収入を原資に、一般的な高配当ETFを大きく上回る分配金を毎月出しています。
- 分配金の額が比較的安定している:直近1年の分配金は1株あたり0.17〜0.19ドル前後と、月ごとのブレが小さめです。2024年頃からほぼ同じ水準が続いており、毎月の収入の見通しが立てやすいETFです。
- ナスダック100の大型ハイテク株に分散して投資できる:約100銘柄のナスダック100を丸ごと保有するため、エヌビディアやアップルなど米国の代表的なハイテク企業に1本で投資できます。純資産も約84億ドルと大きく、売買しやすいETFです。
QYLDのデメリット3選
- 株価の上昇による恩恵が限定的:保有する株のほぼ全体にコールオプションを売っているため、ナスダック100が大きく上がっても値上がり益はほとんど受け取れません。一方で下落時は株価がしっかり下がるので、「下げはそれなり、上げは控えめ」になりやすい点は理解しておきましょう。過去5年の平均リターン(分配金込み)は、QYLDの8.36%に対してQQQは13.92%でした(stockanalysis.com)。
- 為替リスク:米ドル建てのETFであるため、日本の投資家にとっては為替リスクがあります。円高が進んだ場合、円に換算した分配金や資産額が減ってしまう可能性があります。
- 税金面で不利:新NISAが使えず、分配のたびに米国10%・国内20.315%の税金がかかります。外国税額控除で一部を取り戻すには確定申告が必要で、手間もかかります。複利で増やしたい人には効率がよくありません。
QYLDと似たETFとの違い
同じナスダック100に投資するETFでも、オプションの使い方によって分配金と値上がり益のバランスが大きく変わります。当ブログで解説している主なETFと比べると、次のとおりです。
※配当利回りは直近12か月の分配金ベース、2026年10月30日時点(stockanalysis.com)。
2026年10月時点では、QYLDとJEPQの利回りはほぼ同じ水準で、経費率はJEPQの方が低めです。「分配金の額がなるべくブレないこと」を重視するならQYLD、「分配金と値上がり益のバランス」を重視するならJEPQが候補になると私は考えています。S&P500版の兄弟ETFがXYLDです。
QYLDはどんな人に向いている?
向いている人
- 値上がり益より、毎月の現金収入(インカム)を最優先したい人
- 毎月の分配金の額がなるべく安定していてほしい人
- NISA枠は別の商品で使い切っていて、特定口座で高配当を狙いたい人
向いていない人
- 20〜30年かけて資産を最大限増やしたい人(その場合はQQQなどの方が合うかもしれません)
- 新NISAの非課税メリットを最大限に活かしたい人
- ナスダック100が大きく上がった時に、その上昇をしっかり取りたい人
まとめ
QYLDを分配金で毎月1株買うには何株必要?
QYLDの株価は約18.34ドル、毎月の分配金は平均で約0.178ドルです(直近12か月合計2.14ドル÷12)。米国10%・国内20.315%の税金を引くと、1株あたりの手取りは月に約0.128ドルになります。
18.34ドル ÷ 0.128ドル = 約143株。つまり、約143株あれば毎月の分配金で1株ずつ買い増せる計算です(外国税額控除は考慮していません)。2024年4月にこの記事を書いたときの目安(150〜180株)と大きくは変わっていません。
月1万円の分配金を得るには何株必要?
1ドル=150円で計算すると、月1万円は約66.7ドルです。手取り0.128ドル/株で割ると約521株、金額にして約9,600ドル(約143万円)が目安になります。為替や分配金の変動で必要な株数は変わるので、あくまで目安として考えてください。
最後に
米国のETF「QYLD」の特徴や投資のメリット・デメリット、新NISAでの扱い、似たETFとの違いなどを2026年10月時点の最新データで解説しました。
このETFは値上がり益をほとんどあきらめる代わりに、安定した高い分配金を毎月受け取れるETFです。基本的には、インカム志向の投資家にとって魅力的な選択肢といえそうです。
途中にも書きましたが、私自身もQYLDを保有しており、2024年3月の426株から2026年10月時点で946株まで買い増してきました。複利の恩恵を受けられるよう、これからも積み立てるつもりです。
何よりも働かずに毎月お金が入ってくる仕組みを作れる部分に魅力を感じる人にとっては、良い選択肢の一つになるのではないかと思います。
※本記事のデータは2026年10月29〜30日時点のものです(出典:Global X公式サイト、stockanalysis.com、Global X Japanほか)。投資の判断はご自身の責任で行ってください。

