この記事では、米国の高配当ETF「SPYD」について、2026年10月時点の最新データで特徴・配当・新NISAでの扱い・メリットとデメリットを解説します。元の記事を書いた2024年3月から株価も分配金も上がり、組入銘柄も大きく入れ替わっているので、最新の数字で見直していきます。
この記事の結論
- SPYDは、S&P500の中から配当利回りの高い80銘柄を選び、均等の比率で投資する低コスト(経費率0.07%)の高配当ETF
- 分配は年4回で、新NISAの成長投資枠の除外条件には当たらない(つみたて投資枠は対象外。成長投資枠の対象かどうかは証券会社で確認を)
- 値上がり益よりも、不動産(REIT)・生活必需品・金融・公益といった業種からの配当を重視したい人向け
- 分配利回りは約4.2%。新NISAなら約105株で分配金から四半期ごとに1株買い増せる。月1万円の分配金を得るには約430株(約315万円)が目安
SPYDとは何か?
SPYD(State Street SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)は、アメリカの資産運用会社ステート・ストリート(State Street)が運用するインデックス型のETF(上場投資信託)の一つです。2015年10月21日に設定され、純資産は約76.1億ドル(2026年10月29日時点)です。連動を目指すのは「S&P500高配当指数」で、S&P500に採用されている企業の中から配当利回りの高い80銘柄を選び、それぞれ同じ比率で組み入れます。
SPYDが提供する投資機会とは?
SPYDは、高配当株式への投資を通じて安定した配当収入を得たい投資家にとって、魅力的な選択肢です。米国を代表する大企業(S&P500採用銘柄)だけを対象にしつつ、その中でも配当の多い会社に絞って投資できます。
「均等に投資する」とはどういうこと?
S&P500そのものや多くの高配当ETFは、会社の規模(時価総額)が大きいほど多く組み入れます。これに対してSPYDは、80銘柄をほぼ同じ比率で持つのが特徴です。そのため、1位の銘柄でも比率は2%台で、特定の大企業に偏りにくくなっています。
一方で、「配当利回りが高い順」に選ぶため、株価が下がって利回りが上がった会社が入りやすいという面もあります。結果として、不動産(REIT)や公益、生活必需品などの比率が高く、ハイテク株はほとんど入りません。
新NISAには使えるのか?
結論から言うと、SPYDは新NISAの成長投資枠の除外条件には当たらない商品です。つみたて投資枠は対象外です。ただし、成長投資枠の対象かどうかは証券会社が銘柄ごとに決めているので、購入前に証券会社で確認してください。
新NISAの成長投資枠では、「毎月分配型」や「ヘッジ目的以外でデリバティブを使う商品」などが対象から外されています。SPYDは分配が年4回(3・6・9・12月)で、オプションなどのデリバティブも使わない、普通の株式だけのETFなので、こうした除外条件に当たりません。実際に楽天証券は成長投資枠の米国株・海外ETFの紹介ページでSPYDを取り上げています。ただ、証券会社の公式ページで「SPYDは成長投資枠の対象」と銘柄名を挙げて明記したものは確認できませんでした。
なお、NISAで持っても米国で差し引かれる10%の税金はかかり、NISAでは外国税額控除も使えません。取り扱いは証券会社によって異なることがあるので、お使いの証券会社の銘柄ページで「NISA成長投資枠」の対象になっているかを確認してください。
では、一般枠(特定口座)でも買いなのか?
キャピタルゲインを大きく狙いたい、つまり資産をできるだけ速く増やしたいという方には、あまり向いていないと思います。SPYDはハイテク株の比率が4%程度しかなく、AIやハイテク株が引っ張る上昇相場ではS&P500に置いていかれやすいからです。また、特定口座で持つと分配金のたびに米国で10%、国内で20.315%の税金がかかります。
米国で差し引かれた10%は、特定口座なら確定申告で「外国税額控除」を受けると一部を取り戻せます。とはいえ、SPYDは新NISAの除外条件に当たらない数少ない高利回りの米国ETFなので、お使いの証券会社で対象になっていれば、私はまず成長投資枠で持つことを考えるのがよいと思います。そのうえで枠が足りなくなった分を特定口座で、という使い方なら、特定口座でも検討する価値はあると私は考えています。

私は旧NISAで2023年まで40株ほど所持していましたが、一回に2~3000円程度でした。

旧NISAで持っていた分は手放しましたが、2026年10月時点ではSBI証券でSPYDを279株保有しています。
SPYDの詳細情報(2026年10月時点)
SPYDの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄コード | SPYD |
| 正式名称 | State Street SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF |
| 運用会社 | State Street(ステート・ストリート) |
| 設定日 | 2015年10月21日 |
| 連動指数 | S&P500高配当指数(S&P 500 High Dividend Index) |
| 株価 | 48.87ドル(2026年10月29日終値) |
| 純資産 | 約76.1億ドル(2026年10月29日時点) |
| 保有銘柄数 | 78銘柄(2026年10月28日時点。指数の構成は80銘柄) |
| 経費率 | 0.07% |
| 分配頻度 | 年4回(3・6・9・12月) |
| 新NISA成長投資枠 | 除外条件には当たらない(対象かどうかは証券会社で確認) |
SPYDの配当利回り・権利落ち日
SPYDの直近12か月の分配金は合計2.06ドルで、分配利回りは約4.2%です(2026年10月29日の株価で計算)。運用会社の公表値では、過去365日の分配利回りは4.29%、30日SEC利回りは4.42%(2026年10月28日時点)です。1回あたりの分配金は0.42〜0.55ドルの間で動いており、元記事を書いた2024年3月ごろ(0.30〜0.53ドル)より水準が上がっています。
| 権利落ち日 | 支払日 | 1株あたりの分配金 |
|---|---|---|
| 2026年9月21日 | 2026年9月23日 | 0.51779ドル |
| 2026年6月22日 | 2026年6月24日 | 0.54285ドル |
| 2026年3月23日 | 2026年3月25日 | 0.44998ドル |
| 2025年12月22日 | 2025年12月24日 | 0.54934ドル |
| 2025年9月22日 | 2025年9月24日 | 0.48876ドル |
| 2025年6月23日 | 2025年6月25日 | 0.50004ドル |
| 2025年3月24日 | 2025年3月26日 | 0.41890ドル |
| 2024年12月20日 | 2024年12月24日 | 0.54677ドル |
※SPYDの分配金は毎年3月が少なく、12月が多くなる傾向があります。米国株は権利落ち日の前営業日までに保有している必要があります。
SPYDの経費率
SPYDの経費率は0.07%です。100万円分を1年持っても、かかるコストは約700円です。オプションを使う高利回りETF(JEPIは0.35%など)と比べると、かなり低コストで運用されています。
投資対象とポートフォリオ
SPYDが投資する主な銘柄
SPYDは約80銘柄に均等に投資しているため、上位10銘柄を合わせても全体の約16%にとどまります。業種別では不動産(約24%)、生活必需品(約14%)、金融(約14%)、公益(約11%)が上位で、情報技術(ハイテク)は約4%です。2024年3月時点の上位はアイアン・マウンテンやIBM、フォードなどでしたが、今はアクセンチュアやHP、ハスブロなどに入れ替わっています。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | アクセンチュア(ACN) | 2.27% |
| 2 | ハスブロ(HAS) | 1.74% |
| 3 | HP(HPQ) | 1.69% |
| 4 | シェブロン(CVX) | 1.55% |
| 5 | ファイザー(PFE) | 1.55% |
| 6 | メドトロニック(MDT) | 1.51% |
| 7 | クラウン・キャッスル(CCI) | 1.48% |
| 8 | スタンレー・ブラック・アンド・デッカー(SWK) | 1.47% |
| 9 | EOGリソーシズ(EOG) | 1.46% |
| 10 | ベスト・バイ(BBY) | 1.46% |
※上位銘柄・業種別の比率は、いずれも2026年10月28日時点の運用会社の公表値です。均等投資のため、株価の動きによって順位は入れ替わりやすくなっています。
SPYDのメリット3選
- 新NISAで買える米国ETFの中では利回りが高い:分配利回りは約4.2%で、VYM(約2.3%)やSCHD(約3.0%)より高めです。年4回分配で新NISAの除外条件に当たらないため、証券会社で成長投資枠の対象になっていれば、国内の税金がかからない状態で分配金を受け取れます。
- 低コストで運用されている:経費率は0.07%。オプションを使う高利回りETFと違い、普通の株式に投資するだけのシンプルな仕組みなので、コストが低く抑えられています。
- 均等投資で1社への偏りが小さい:約80銘柄を同じ比率で持つため、1位の銘柄でも比率は2%台です。1社の減配や株価急落がETF全体に与える影響は限られます。
SPYDのデメリット3選
- 市場全体より成績が劣る可能性がある:ハイテク株が約4%しか入っていないため、ハイテク株が引っ張る上昇相場ではS&P500に置いていかれやすいです。また、株式投資である以上、価格変動リスクは避けられません。
- 業種の偏りと「利回りだけで選ぶ」弱点:不動産が約24%を占め、金利が上がる局面では値下がりしやすい業種に偏っています。また、配当利回りの高さだけで銘柄を選ぶため、業績が悪化して株価が下がった会社や、減配しそうな会社が入ることもあります。
- 分配金が毎回変わり、為替の影響も受ける:1回あたりの分配金は0.42〜0.55ドルと、四半期ごとにばらつきがあります(特に3月は少なめ)。さらに米ドル建てのETFなので、円高局面では円での受取額や評価額が目減りします。
SPYDと似たETFとの違い
同じ「米国高配当ETF」でも、銘柄の選び方や分配の回数が違うと、利回りや新NISAでの扱いが変わります。主なETFと比べると、次のとおりです。
※SPYDの利回りは2026年10月29日、ほかのETFは2026年10月23日時点の直近12か月の分配金÷株価です。新NISAの扱いは証券会社によって異なる場合があるので、購入前に確認してください。
新NISAで米国の高配当ETFを持ちたい場合、利回りを重視するならSPYD、より多くの銘柄に分散したいならVYM、配当が増えていくことを重視するならSCHD(投資信託版)が候補になります。HDVは2026年に毎月分配へ変わったため、これから新NISAで買う候補からは外れる点に注意してください。より高い利回りを毎月受け取りたいならJEPIもありますが、オプション取引を使うため新NISAでは買えません。
SPYDはどんな人に向いている?
向いている人
- 新NISAの成長投資枠で、利回りの高い米国ETFを持ちたい人
- 低コストで、年4回の分配金を受け取りながら長く持ちたい人
- ハイテク株中心の資産に、不動産・公益・生活必需品などの業種を組み合わせて分散したい人
向いていない人
- 20〜30年かけて資産を最大限増やしたい人
- 分配金を毎月受け取りたい人
- 減配や金利上昇による値下がりを避けたい人
まとめ
SPYDを分配金で四半期に1株買うには何株必要?
SPYDの株価は約49ドルです(2026年10月29日終値48.87ドル)。直近12か月の分配金2.06ドルを4で割ると、1回あたりの分配金は平均約0.515ドルになります。新NISAで持つ場合は米国の10%だけが差し引かれるので、1株あたりの手取りは1回に約0.464ドルです。
48.87ドル ÷ 0.464ドル = 約105株。つまり、新NISAなら約105株あれば四半期ごとの分配金で1株ずつ買い増せる計算です。特定口座の場合は国内の税金20.315%も引かれて手取りが約0.369ドルになるため、約132株が必要です(外国税額控除は考慮していません)。
月1万円の分配金を得るには何株必要?
1ドル=150円で計算すると、月1万円は約67ドル、四半期(3か月)では約200ドルです。新NISAの手取り0.464ドル/株で割ると約430株、金額にして約2万1,000ドル(約315万円)が目安になります。特定口座なら約540株・約2万6,400ドル(約396万円)です。成長投資枠の年間上限は240万円なので、新NISAだけでそろえるなら2年がかりになります。為替や分配金の変動で必要な株数は変わるので、あくまで目安として考えてください。
最後に
米国のETF「SPYD」の特徴や投資のメリット・デメリット、新NISAでの扱いなどを2026年10月時点の最新データで解説しました。
このETFは、新NISAにも使えて、さらに高配当であるとして人気が上がってきているETFです。
私自身は旧NISAで持っていた分は手放しましたが、2026年10月時点ではSBI証券で279株を保有しています。
何よりも、働かずにお金が入ってくる仕組みを作れる点に魅力を感じる人にとっては、良い選択肢の一つになるのではないかと思います。
※本記事のデータは2026年10月30日に調べた時点のものです(株価・純資産は2026年10月29日、保有銘柄・業種比率は10月28日時点。出典:State Street(SSGA)公式サイト、stockanalysis.com、楽天証券ほか)。新NISAでの取り扱いは各証券会社でご確認ください。投資の判断はご自身の責任で行ってください。

