この記事では、米国の高配当ETF「XYLD」について、2026年10月時点の最新データで特徴・配当・新NISAでの扱い・メリットとデメリットを解説します。同じS&P500を対象にするJEPIや、ナスダック100版のQYLDとの違いもまとめました。
この記事の結論
- XYLDはS&P500の株を持ち、そのコールオプションを売ることで年10%前後の分配金を毎月出す高配当ETF
- 新NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)では買えない。毎月分配で、オプション(デリバティブ)を使っているため
- 値上がり益はほとんど期待せず、毎月の現金収入を重視したい人向け。ただし直近1年の分配金は前年より約17%減っている
- 分配金で毎月1株ずつ買い増すには約164株、月1万円の分配金を得るには約264株が目安
XYLDとは何か?
XYLD(Global X S&P 500 Covered Call ETF)は、Global Xが2013年6月21日に設定したETF(上場投資信託)です。「Cboe S&P 500 BuyWrite指数(BXM)」に連動するように運用されており、純資産は約34億ドル(2026年10月29日時点)です。
XYLDが提供する投資機会とは?
XYLDは、毎月の高い分配金を重視する投資家に向けたETFです。S&P500指数の構成銘柄(約500銘柄)を保有しながら、S&P500指数のコールオプションを売り、そのプレミアム(オプションの代金)を主な原資として毎月分配します。
投資家はXYLDを通じて、米国を代表する大型優良株に幅広く間接的に投資できます。ナスダック100版のQYLDより銘柄数が多く、ハイテク以外の業種にも分散されているのが特徴です。ただし後で説明するとおり、株価が上がった時の値上がり益はほとんど受け取れない仕組みです。
カバードコール戦略の仕組みをかんたんに言うと
カバードコールとは、「株を持ったまま、その株を決めた価格で買える権利(コールオプション)を他の人に売り、その代金を受け取る」という戦略です。XYLDは保有する株のほぼ全体に対して、毎月コールオプションを売っています。
相場が横ばいや下落のときは、受け取ったプレミアムがそのまま上乗せの収入になります。一方で、株価が大きく上がっても、上がった分は基本的にオプションの買い手のものになります。「値上がり益を手放す代わりに、毎月の現金収入を受け取る」と考えるとわかりやすいと思います。
オプションのプレミアムは相場の値動きが大きいほど高くなります。S&P500はナスダック100より値動きがおだやかなので、XYLDの利回りはQYLDより少し低めになりやすいです。
新NISAには使えるのか?
残念なことに、XYLDは新NISAの成長投資枠でも、つみたて投資枠でも投資できません。
新NISAの成長投資枠には金融庁が定めた商品の基準があり、次のような商品は対象から外されています。XYLDは毎月分配を行い、運用の中心にコールオプションの売り(デリバティブ取引)を使っているため、対象外となる条件に当てはまってしまいます。
- 毎月分配型の商品
- ヘッジ目的以外でデリバティブ取引を使う商品(カバードコール型のETFなど)
対象かどうかは各証券会社のサイトに表示されるので、念のため購入前に、お使いの証券会社の「成長投資枠の対象銘柄」で確認してください。
では、一般枠(特定口座)でも買いなのか?
キャピタルゲイン(値上がり益)の恩恵を受けたい、つまり資産を大きく増やしたいという方には向いていないと私は思います。なぜなら、このETFは毎月分配金が入り、そのすべてに税金(米国で10%、日本で20.315%)がかかってきてしまうからです。ほかのETFなどでは分配金を少なくして、その分を値上がり益として育ててくれるものもあるので、資産拡大が目的ならそちらにした方がよさそうです(税金を売却益が出た際に支払うので、未来の自分に回しているイメージです)。
なお、米国で差し引かれた10%は、確定申告で「外国税額控除」を受けると一部を取り戻せます。特定口座で持つなら覚えておきたい制度です。
ただし、資産拡大ではなく、毎月お小遣いのように高い分配金をもらいたい!という方には良い選択肢だと私は思います。

私の当面の目標は、月の配当金を税引き後20万円入ってくることです。XYLDはSBI証券で合わせて216株保有しています。(2026年10月時点)
2024年3月時点では202株だったので、その後も少しずつ買い増しを続けてきました。さすがに全ツッパではないですが、今後も積み立てていく予定です。
では、その他参考になる情報をここから書いていきたいと思います。
XYLDの詳細情報(2026年10月時点)
XYLDの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄コード | XYLD |
| 運用会社 | Global X Management Company LLC |
| 設定日 | 2013年6月21日 |
| 連動する指数 | Cboe S&P 500 BuyWrite指数(BXM) |
| 株価 | 41.58ドル(2026年10月29日、市場価格) |
| 52週の値幅 | 38.22〜42.00ドル |
| 純資産 | 約33.9億ドル |
| 保有銘柄数 | 505銘柄 |
| 経費率 | 0.60% |
| 分配頻度 | 毎月 |
XYLDの配当利回り・権利落ち日
XYLDの直近12か月の分配金は合計約4.24ドルで、配当利回りは約10.2%です(2026年10月時点)。分配金は1株あたり月0.30〜0.41ドルの間で動いており、QYLDよりも月ごとのブレが大きめです。権利落ち日は毎月20日前後(下旬の月曜日が多い)です。
| 権利落ち日 | 支払日 | 1株あたりの分配金 |
|---|---|---|
| 2026年10月19日 | 2026年10月22日 | 0.3143ドル |
| 2026年9月21日 | 2026年9月24日 | 0.2964ドル |
| 2026年8月24日 | 2026年8月27日 | 0.3109ドル |
| 2026年7月20日 | 2026年7月23日 | 0.4088ドル |
| 2026年6月22日 | 2026年6月25日 | 0.3403ドル |
| 2026年5月18日 | 2026年5月21日 | 0.4012ドル |
| 2026年4月20日 | 2026年4月23日 | 0.3522ドル |
| 2026年3月23日 | 2026年3月26日 | 0.3905ドル |
| 2026年2月23日 | 2026年2月26日 | 0.3412ドル |
| 2026年1月20日 | 2026年1月23日 | 0.3597ドル |
| 2025年12月22日 | 2025年12月30日 | 0.3252ドル |
| 2025年11月24日 | 2025年12月2日 | 0.4003ドル |
※米国株は権利落ち日の前営業日までに保有している必要があります。
注意したいのは、直近1年の分配金が前年より約17%減っていることです(stockanalysis.com)。直近3か月(8〜10月)は0.30〜0.31ドル台と低めで、Global Xが公表している最新の分配率(直近の分配金を年換算した利回り)も8.90%(2026年10月29日時点)と、12か月ベースの約10.2%を下回っています。オプションのプレミアムは相場の値動きの大きさで変わるため、相場が落ち着いている時期は分配金も減りやすい点は理解しておきましょう。
また、Global Xは、XYLDの分配金には「元本の払い戻し(リターン・オブ・キャピタル)」が含まれる場合があると説明しています。利回りが高く見えても、その一部は自分が出したお金が戻ってきているだけ、という可能性がある点も覚えておきましょう。

私の2024年3月分の分配金は、58.53ドルでした。
XYLDの経費率
XYLDの経費率は0.60%です。同じS&P500を対象にするJEPI(0.35%)や、S&P500にそのまま連動するSPY(0.09%)と比べると高めです。オプション取引を使うETFの中には1%前後かかるものもあることを考えれば極端に高いわけではありませんが、長く持つほど差が効いてくる点は意識しておきたいところです。
投資対象とポートフォリオ
XYLDが投資する主な銘柄
XYLDはS&P500指数の構成銘柄を保有しているため、中身はほぼS&P500そのものです。約500銘柄に分散していますが、S&P500自体が大型ハイテク株の比率を高めているため、上位10銘柄で約38%を占めています。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | エヌビディア(NVDA) | 7.87% |
| 2 | アップル(AAPL) | 7.75% |
| 3 | マイクロソフト(MSFT) | 5.99% |
| 4 | アマゾン・ドット・コム(AMZN) | 3.64% |
| 5 | アルファベット クラスA(GOOGL) | 2.53% |
| 6 | ブロードコム(AVGO) | 2.50% |
| 7 | メタ・プラットフォームズ(META) | 2.10% |
| 8 | アルファベット クラスC(GOOG) | 2.04% |
| 9 | テスラ(TSLA) | 1.73% |
| 10 | イーライリリー(LLY) | 1.67% |
※2026年10月29日時点(Global X公式)。上位10銘柄の合計は約38%です。
コールオプション取引の活用
XYLDは上記の株式に加えて、S&P500指数のコールオプションを毎月売っています。このプレミアム収入が分配金の主な原資です。株の配当による収入はわずかで、Global Xが公表している30日SEC利回り(経費を差し引いた配当・利息収入の目安)は0.48%(2026年10月29日時点)です。分配金のほとんどはオプション収入に頼っているということです。
XYLDのメリット3選
- 毎月、高い分配金がもらえる:直近12か月の利回りは約10.2%。S&P500のオプションのプレミアム収入を原資に、一般的な高配当ETFを大きく上回る分配金を毎月出しています。
- 約500銘柄に幅広く分散できる:S&P500を丸ごと保有するため、ナスダック100中心のQYLDよりも銘柄数が多く、ハイテク以外の業種にも分散されています。
- 値動きが比較的おだやか:市場全体との連動の強さを示すベータは0.50(stockanalysis.com)と低めです。直近1年の株価の値幅も38.22〜42.00ドルと、大きく上下していません。
XYLDのデメリット3選
- 株価の上昇による恩恵が限定的:保有する株のほぼ全体にコールオプションを売っているため、S&P500が大きく上がっても値上がり益はほとんど受け取れません。過去5年の平均リターン(分配金込み)は、XYLDの7.47%に対してSPYは12.42%でした(stockanalysis.com)。
- 分配金が減ることがある:オプションのプレミアムは相場の値動きの大きさで変わるため、分配金は毎月変動します。直近1年の分配金は前年より約17%減りました。毎月決まった額が入る、というわけではない点に注意が必要です。
- 税金面で不利+為替リスク:新NISAが使えず、分配のたびに米国10%・国内20.315%の税金がかかります。また米ドル建てのため、円高が進むと円に換算した分配金や資産額が減ってしまう可能性があります。
XYLDと似たETFとの違い
同じ「オプション収入で高配当」のETFでも、投資対象や仕組みが違うと値動きや分配金の性格が変わります。当ブログで解説している主なETFと比べると、次のとおりです。
※配当利回りは直近12か月の分配金ベース、2026年10月30日時点(stockanalysis.com)。SCHDの数字はSCHDの記事をご覧ください。
同じS&P500系のJEPIは、利回りはXYLDより低いものの、経費率が低く、過去5年の平均リターン(分配金込み)はJEPI 7.58%、XYLD 7.47%とほぼ同じでした(stockanalysis.com)。「とにかく利回りを高く」ならXYLD、「コストを抑えて、分配金もそこそこ」ならJEPIが候補になると私は考えています。分配金の伸びや新NISAでの運用を重視するなら、オプションを使わないSCHDの投資信託版という選択肢もあります。
XYLDはどんな人に向いている?
向いている人
- 値上がり益より、毎月の現金収入(インカム)を重視したい人
- ハイテク株に偏りすぎず、S&P500全体に分散したうえで高い分配金を受け取りたい人
- NISA枠は別の商品で使い切っていて、特定口座で高配当を狙いたい人
向いていない人
- 20〜30年かけて資産を最大限増やしたい人
- 新NISAの非課税メリットを最大限に活かしたい人
- 毎月の分配金の額が変わることを気にする人
まとめ
XYLDを分配金で毎月1株買うには何株必要?
XYLDの株価は約41.58ドル、毎月の分配金は平均で約0.353ドルです(直近12か月合計4.24ドル÷12)。米国10%・国内20.315%の税金を引くと、1株あたりの手取りは月に約0.253ドルになります。
41.58ドル ÷ 0.253ドル = 約164株。つまり、約164株あれば毎月の分配金で1株ずつ買い増せる計算です(外国税額控除は考慮していません)。ただし、直近3か月のように分配金が0.30ドル前後の月が続くと、必要な株数はもう少し増えます。
月1万円の分配金を得るには何株必要?
1ドル=150円で計算すると、月1万円は約66.7ドルです。手取り0.253ドル/株で割ると約264株、金額にして約11,000ドル(約165万円)が目安になります。為替や分配金の変動で必要な株数は変わるので、あくまで目安として考えてください。
最後に
米国のETF「XYLD」の特徴や投資のメリット・デメリット、新NISAでの扱い、似たETFとの違いなどを2026年10月時点の最新データで解説しました。
このETFは値上がり益をほとんどあきらめる代わりに、S&P500に分散しながら高い分配金を毎月受け取れるETFです。基本的には、インカム志向の投資家にとって魅力的な選択肢といえそうです。
途中にも書きましたが、私自身もXYLDを保有しており、2024年3月の202株から2026年10月時点で216株まで買い増しています。複利の恩恵を受けられるよう、これからも積み立てるつもりです。
何よりも働かずに毎月お金が入ってくる仕組みを作れる部分に魅力を感じる人にとっては、良い選択肢の一つになるのではないかと思います。
※本記事のデータは2026年10月29〜30日時点のものです(出典:Global X公式サイト、stockanalysis.comほか)。投資の判断はご自身の責任で行ってください。

