この記事では、東証に上場している日本の高配当ETF「1478」(iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF)について、2026年10月時点の最新データで特徴・分配金・新NISAでの扱い・メリットとデメリットを解説します。
この記事の結論
- 1478は、配当の続きやすさや財務の健全さで選んだ日本の高配当株34銘柄にまとめて投資できるETF。信託報酬は税込0.209%と、国内の高配当ETFの中では低め
- 新NISAの成長投資枠で買える(ブラックロック・ジャパンのファクトシートと東証の銘柄一覧で「成長投資枠対象」と明記。つみたて投資枠は対象外)
- 為替を気にせず、円で日本の大型高配当株から配当を受け取りたい人向け。分配は年2回(2月・8月)
- 市場価格は1口5,455円(2026年10月30日終値)。直近1年の分配金は146円で利回りは約2.7%。年10万円の分配金を得るには約685口(新NISA)〜約860口(特定口座)が目安
1478とは何か?
1478(iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF)は、世界最大級の資産運用会社ブラックロックの日本法人、ブラックロック・ジャパンが2015年10月19日に設定したETF(上場投資信託)です。東京証券取引所に上場しており、「MSCIジャパン高配当利回り指数(配当込み)」に連動することを目指して、配当利回りが高く、財務も健全な日本の大型・中型株に投資します。
純資産総額は約1,462億円(2026年9月30日時点、ブラックロック・ジャパン公式ファクトシート)で、1口から売買できます。
1478が提供する投資機会とは?
1478は、日本株の配当収入を、円建てのまま低コストで受け取りたい投資家に向けたETFです。個別の高配当株を自分で何十銘柄も選んで買うのは手間もお金もかかりますが、1478なら1口(約5,000円台)で30銘柄以上にまとめて投資できます。
また、利回りの高さだけでなく「配当を続けられる会社か」「財務が健全か」という条件で絞り込んでいるのが特徴です。業績が悪化して株価が下がり、見かけの利回りだけが高くなっている銘柄(いわゆる高配当の落とし穴)を避けやすい作りになっています。
銘柄の選び方をかんたんに言うと
ブラックロック・ジャパンの説明によると、連動する「MSCIジャパン高配当利回り指数」は、おおむね次のような考え方で作られています。
- 日本の大型・中型株で作る「MSCIジャパン指数」から、J-REIT(不動産投資信託)を除いた銘柄を対象にする
- 配当の継続性や配当性向、財務体質(ROE、負債・自己資本比率、収益の変動性)などの基準を満たした企業に絞る
- その中から、配当利回りがMSCIジャパン指数の利回りの130%を超える銘柄を選ぶ
- 選んだ銘柄を時価総額の比率で組み入れる(大きな企業ほど比率が高い)
時価総額の比率で組み入れるため、トヨタ自動車やKDDIのような日本を代表する大企業が中心になります。利回りだけで選ぶ指数と比べると、値動きが比較的安定しやすい仕組みです。
新NISAには使えるのか?
結論から言うと、1478は新NISAの成長投資枠で投資ができます(つみたて投資枠は対象外)。
根拠は2つあります。運用会社であるブラックロック・ジャパンのファクトシート(2026年9月)に「NISA対象:NISA 成長投資枠対象」と明記されていること、そして東証(JPX)のETF銘柄一覧でも、1478は「NISAの成長投資枠の対象銘柄」として印が付いていることです。分配は年2回(2月・8月)で毎月分配ではなく、株式を保有するシンプルな運用なので、成長投資枠の基準とも矛盾しません。
新NISAで持てば、売却益や分配金にかかる税金(20.315%)はかかりません。しかも1478は日本株のETFなので、米国ETFのように分配金から米国の税金(10%)が先に引かれることもありません。NISAの非課税メリットを丸ごと受けられるのは、国内の高配当ETFならではの強みです。なお、分配金を非課税で受け取るには、証券会社で受け取り方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。取り扱いは証券会社によって異なる場合があるので、購入前に各社のページで確認してください。
では、一般枠(特定口座)でも買いなのか?
私は、1478に投資するならまず新NISAの成長投資枠を使うのがよいと思います。1478は分配金を受け取りながら長く持つタイプのETFなので、分配金に税金がかからないNISAとの相性がよいからです。
特定口座で持つ場合は、分配金を受け取るたびに20.315%の税金がかかります。とはいえ米国の高配当ETFと違って二重課税はなく、利回りも約2.7%と極端に高いわけではないので、税金で目減りする分は限られます。NISA枠を使い切った人が、為替の影響を受けない日本株の配当を増やす目的で特定口座で買い増すのも、私はアリだと思います。
ちなみに私は、1478を現時点では保有していません。
1478の詳細情報(2026年10月時点)
1478の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄コード | 1478(東京証券取引所) |
| 正式名称 | iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF |
| 運用会社 | ブラックロック・ジャパン |
| 連動する指数 | MSCIジャパン高配当利回り指数(配当込み) |
| 設定日 | 2015年10月19日 |
| 市場価格 | 5,455円(2026年10月30日終値) |
| 基準価額 | 5,397.88円(2026年10月29日) |
| 純資産総額 | 約1,462億円(2026年9月30日時点) |
| 売買単位 | 1口 |
| 保有銘柄数 | 34銘柄(2026年9月30日時点) |
| 信託報酬(税込) | 0.209%(税抜0.19%) |
| 決算・分配 | 年2回(2月9日・8月9日) |
| 新NISA | 成長投資枠の対象 |
※出典:ブラックロック・ジャパン公式(ファクトシート2026年9月、取扱商品一覧の基準価額、交付目論見書)、東証(JPX)ETF銘柄一覧。市場価格は松井証券の株価ページで確認。
1478の分配金利回り・決算日
1478の直近2回(1年分)の分配金は合計146円で、分配金利回りは約2.68%です(2026年10月30日の市場価格5,455円で計算。基準価額5,397.88円で計算すると約2.70%)。その前の1年分(2025年2月・8月の合計104円)と比べると、分配金は約40%増えています。
| 決算日 | 1口あたりの分配金(税引前) |
|---|---|
| 2026年8月9日 | 88円 |
| 2026年2月9日 | 58円 |
| 2025年8月9日 | 52円 |
| 2025年2月9日 | 52円 |
| 2024年8月9日 | 45円 |
※出典:ブラックロック・ジャパン公式ファクトシート(分配金実績)。分配金を受け取るには、決算日(権利確定日)の2営業日前の「権利付き最終日」までに買って保有している必要があります。決算日が土日祝日に当たる年もあるので、正確な権利付き最終日は証券会社の案内で確認してください。
1478は、受け取った配当などから経費を引いた全額を分配するのが原則です(交付目論見書)。そのため分配金は組入銘柄の配当に合わせて動き、2月分より8月分が多くなる傾向があります。2026年8月の88円は前年同月(52円)より大きく増えましたが、将来の分配金が保証されているわけではなく、企業の業績が悪化すれば減ることもある点は理解しておきましょう。
1478の信託報酬
1478の信託報酬は税込0.209%(税抜0.19%)です。100万円を1年間持っても、かかるコストは約2,090円です。このほかに上場や指数の使用料などの費用(上限は年0.0495%)がかかり、交付目論見書によると直近の計算期間(2025年8月10日〜2026年2月9日)の総経費率は年率0.26%でした。
1478のトータルリターン
分配金を再投資した場合のトータルリターン(基準価額ベース、円建て)は、2026年9月30日までで次のとおりです。過去の成績は将来の成績を約束するものではありません。
| 期間 | 1478 | 参考:連動する指数 |
|---|---|---|
| 1年 | 32.20% | 32.34% |
| 3年(年率) | 23.58% | 23.88% |
| 5年(年率) | 22.52% | 22.86% |
| 設定来(年率) | 13.34% | 13.64% |
※出典:ブラックロック・ジャパン公式ファクトシート(2026年9月30日時点)。指数との差は0.1〜0.3%程度で、おおむね信託報酬などのコスト分です。指数にしっかり連動して運用されていることがわかります。
投資対象とポートフォリオ
1478が投資する主な銘柄
1478は34銘柄に投資しており、上位10銘柄の合計は資産全体の約50%です。1銘柄あたりの比率は大きくても5%台で、上位10銘柄はほぼ横並びになっています。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | 小松製作所 | 5.58% |
| 2 | 第一生命ホールディングス | 5.33% |
| 3 | 伊藤忠商事 | 5.23% |
| 4 | 本田技研工業 | 5.18% |
| 5 | MS&ADインシュアランスグループホールディングス | 4.97% |
| 6 | ソフトバンク | 4.94% |
| 7 | KDDI | 4.93% |
| 8 | 東京海上ホールディングス | 4.77% |
| 9 | トヨタ自動車 | 4.64% |
| 10 | 日本電信電話(NTT) | 4.40% |
※2026年9月30日時点(ブラックロック・ジャパン公式ファクトシート)。上位10銘柄の合計は49.97%です。
上位10銘柄を業種で見ると、保険(第一生命・MS&AD・東京海上)と通信(ソフトバンク・KDDI・NTT)がそれぞれ3銘柄、自動車(ホンダ・トヨタ)が2銘柄、ほかに機械(コマツ)と商社(伊藤忠)が入っています。配当が安定しやすい通信・保険と、景気や為替の影響を受けやすい自動車・機械・商社が混ざった構成です。
1478のメリット3選
- 国内の高配当ETFの中でコストが低い:信託報酬は税込0.209%で、比較した国内の高配当ETF(1489・2529は0.308%、1577は0.352%)より低い水準です。長く持つほど、このコストの差が効いてきます。
- 配当の続きやすさと財務の健全さで銘柄を選んでいる:利回りの高さだけでなく、配当の継続性・配当性向・ROE・負債比率などの条件を満たした企業に絞っています。業績悪化で株価が下がり、見かけの利回りだけが高い銘柄を避けやすい仕組みです。
- 新NISAで非課税のメリットを丸ごと受けられる:成長投資枠の対象で、円建てなので為替の影響がなく、米国ETFのように米国の税金(10%)が引かれることもありません。1口5,000円台から少額で始められます。
1478のデメリット3選
- 銘柄数が34と少なく、上位に集中している:上位10銘柄で資産の約50%を占めます。保険・通信・自動車の比率が高いため、これらの業種が不調になると影響を受けやすくなります。
- 分配は年2回だけで、金額もぶれる:分配は2月と8月の年2回なので、年4回の1489・1577・2529や米国の高配当ETFと比べて受け取りの間隔が長くなります。また、2026年は2月58円・8月88円と回によって金額が大きく違います。
- 日本株だけなので、国の分散はできない:投資先はすべて日本企業です。日本の景気が悪くなったときや、円高で自動車・機械など輸出企業の業績が落ちるときには、まとめて影響を受けます。米国株など海外の資産と組み合わせて考えることが大切です。
1478と似たETFとの違い
日本の高配当ETFとの比較
まず、東証に上場しているほかの日本の高配当ETFと比べると、次のとおりです。
| ETF | 連動する指数 | 銘柄数 | 分配 | 利回り | 信託報酬(税込) | 新NISA |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1478 | MSCIジャパン高配当利回り指数 | 34 | 年2回(2・8月) | 約2.70% | 0.209% | 成長投資枠〇 |
| 1489 | 日経平均高配当株50指数 | 50 | 年4回(1・4・7・10月) | 2.96% | 0.308% | 成長投資枠〇 |
| 1577 | 野村日本株高配当70 | 70 | 年4回(1・4・7・10月) | 2.78% | 0.352% | 成長投資枠〇 |
| 2529 | 野村株主還元70 | 70 | 年4回(1・4・7・10月) | 2.41% | 0.308% | 成長投資枠〇 |
※利回りはいずれも直近1年の分配金を2026年10月29日の基準価額で割った値。1478はブラックロック・ジャパン公式、1489・1577・2529は野村アセットマネジメント(NEXT FUNDS)公式で確認。新NISAの対象かどうかは東証(JPX)のETF銘柄一覧で確認。
1478の強みはコストの低さと、財務の条件で銘柄を絞っていることです。一方で、利回りでは1489(2.96%)や1577(2.78%)の方が少し高く、分配も年4回で受け取りの回数が多くなります。銘柄数でも70銘柄の1577・2529の方が分散は広めです。「コストを抑えて、財務の健全な大型の高配当株を持ちたい」なら1478、「利回りや分配の回数を重視したい」なら1489や1577も比べてみるとよいと私は思います。
米国の高配当ETFとの比較
当ブログで紹介している米国の高配当ETFとも比べてみます。
※1478はブラックロック・ジャパン公式(2026年10月時点)。HDV・SPYD・SCHD・JEPIの利回り・経費率・分配頻度・NISAの扱いは当ブログの各記事(stockanalysis.com、2026年10月時点)より。NISAの扱いは変わることがあるので、購入前に証券会社で確認してください。
米国の高配当ETFとの大きな違いは次の3つです。
- 為替の影響がない:1478は円建てなので、円高になっても分配金や評価額が為替で目減りすることはありません。
- 米国の税金がかからない:米国ETFの分配金は米国で10%引かれ、NISAでも取り戻せません。1478は国内の税金(20.315%)だけで、NISAなら税金はゼロです。
- 分配の回数とコスト:1478は年2回で、米国ETFの年4回・毎月より少なめです。経費率は米国の大型高配当ETF(0.06〜0.08%)の方が低くなっています。
利回りだけを見るとSPYD(約4.2%)やHDV(約3.1%)の方が高いですが、米国の税金と為替を考えると、手取りの差は見た目ほど大きくありません。私は、米国の高配当ETFと1478のような日本の高配当ETFを組み合わせて、国や通貨を分散するのも一つの考え方だと思います。
1478はどんな人に向いている?
向いている人
- 為替を気にせず、円で日本株の配当を受け取りたい人
- 新NISAの成長投資枠で、低コストの日本の高配当ETFを持ちたい人
- 利回りの高さだけでなく、財務の健全な大企業に絞って投資したい人
向いていない人
- 毎月や年4回など、こまめに分配金を受け取りたい人
- 100銘柄以上に幅広く分散したい人
- 利回り4%以上など、今すぐ高い分配金がほしい人
まとめ
1478を分配金で1口買うには何口必要?
1478の市場価格は5,455円(2026年10月30日終値)、直近1年の分配金は合計146円なので、1回(半年)あたりの分配金は平均73円です。特定口座で持つ場合、20.315%の税金を引くと1口あたりの手取りは1回あたり約58.2円になります。
5,455円 ÷ 58.2円 = 約94口。つまり、約94口(約51万円)あれば、半年ごとの分配金で1口ずつ買い増せる計算です。新NISAで持つ場合は税金がかからず、1回あたりの手取りは73円なので、約75口(約41万円)が目安です。実際には2月分より8月分が多い傾向があるので、回によって買える口数は変わります。
年10万円の分配金を得るには何口必要?
特定口座の場合、1口あたりの年間の手取りは約116.3円(146円×税引き後)なので、10万円 ÷ 116.3円 = 約860口、金額にして約469万円が目安になります。分配は年2回なので、実際には半年ごとに約5万円ずつ(2月は少なめ、8月は多め)受け取るイメージです。
新NISAで持つ場合は、1口あたりの年間の手取りが146円になるので、約685口(約374万円)が目安です。成長投資枠は年240万円までなので、2年に分けて買えば届く金額です。分配金や株価の変動で必要な口数は変わるので、あくまで目安として考えてください。
最後に
日本の高配当ETF「1478」(iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF)の特徴や投資のメリット・デメリット、新NISAでの扱いなどを2026年10月時点の最新データで解説しました。
1478は、新NISAの成長投資枠で買えて、信託報酬0.209%という低いコストで、配当の続きやすさと財務の健全さで選んだ日本の高配当株に投資できるETFです。銘柄数が34と少ないことや、分配が年2回だけといった弱点もあるので、ポートフォリオ全体のバランスを考えながら投資することが大切です。
何よりも、為替を気にせず、日本を代表する高配当企業から円で配当を受け取りながら長く持ち続けたい人にとって、1478は良い選択肢の一つになるのではないかと思います。
※本記事のデータは2026年10月30日時点のものです(基準価額は2026年10月29日、純資産総額・保有銘柄・トータルリターンは2026年9月30日時点。出典:ブラックロック・ジャパン、東京証券取引所(JPX)、野村アセットマネジメント、松井証券ほか)。投資の判断はご自身の責任で行ってください。

