この記事では、米国の高配当ETF「SCHD」について、2026年10月時点の最新データで特徴・配当・増配の実績・新NISAでの扱い・メリットとデメリットを解説します。
この記事の結論
- SCHDは、配当を10年以上続けている米国企業から、財務が健全で配当の多い約100銘柄を選ぶ「増配型」の高配当ETF。利回りは約3.0%、分配は年4回
- SCHD本体は国内の証券会社では買えないが、投資信託版(楽天・SCHD、SBI・SCHDなど)なら新NISAの成長投資枠で買える(つみたて投資枠は対象外)
- 目先の高い分配金より、配当が少しずつ増えていくことと値上がり益の両方を狙いたい人向け
- 分配金で四半期ごとに1株買い増すには約187株、月1万円の分配金を得るには約1,060株が目安
SCHDとは何か?
SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)は、米国の大手証券会社チャールズ・シュワブの運用部門が2011年10月20日に設定したETF(上場投資信託)です。「ダウ・ジョーンズ U.S. ディビデンド100指数」に連動するインデックス運用で、純資産は約1,191億ドル(2026年10月時点)と、米国の高配当ETFの中でもトップクラスの規模です。
なお、SCHDは2024年10月に1株を3株に分ける株式分割を行いました。分割前は1株80ドル台でしたが、分割後は30ドル前後になっています。この記事の株価や分配金は、すべて分割後の基準で書いています。
SCHDが提供する投資機会とは?
SCHDは、配当の多さと配当の伸び(増配)、そして企業の財務の健全さをまとめて求める投資家に向けたETFです。単に利回りが高い銘柄を集めるのではなく、「配当を払い続けられる力がある企業」を選ぶのが特徴です。
銘柄の選び方をかんたんに言うと
連動する「ダウ・ジョーンズ U.S. ディビデンド100指数」は、おおむね次の手順で約100銘柄を選んでいます。
- REIT(不動産投資信託)を除く米国株のうち、10年以上連続で配当を出している企業に絞る(時価総額や売買の多さの条件もあり)
- 配当利回りが高い順に並べ、上位半分を候補にする
- 候補を「配当利回り」「5年間の増配率」「ROE(自己資本利益率)」「キャッシュフローと借金の比率」の4つで点数化し、上位100銘柄を選ぶ
- 1銘柄の比率は最大4.5%、1つの業種は最大25%までに抑える
銘柄の入れ替えは年1回、比率の調整は四半期ごとに行われます。「配当が多い」だけでなく「稼ぐ力があり、借金に対して現金を十分に生んでいる」企業が選ばれるため、無理な配当で株価が下がり続けるような銘柄を避けやすい仕組みです。
新NISAには使えるのか?
結論から言うと、SCHD本体は国内の証券会社で取り扱いがないため、新NISAでも特定口座でも直接は買えません。ただし、SCHDに投資する投資信託なら新NISAの成長投資枠で買えます(つみたて投資枠は対象外)。
SCHDは年4回の分配で、運用にオプションなどのデリバティブも使っていないため、新NISAの成長投資枠から外される「毎月分配型」「ヘッジ目的以外でデリバティブを使う商品」には当たりません。問題は商品の中身ではなく、国内の証券会社がSCHD本体を扱っていないことです(2026年10月時点で、取り扱う国内証券会社は確認できませんでした)。
つみたて投資枠で買えないのは、連動する「ダウ・ジョーンズ U.S. ディビデンド100指数」が、つみたて投資枠の対象として指定された指数ではないためです。
投資信託版の「楽天・SCHD」「SBI・SCHD」なら新NISAで買える
SCHDに投資できる投資信託は、2026年10月時点で主に次の3シリーズ(4本)です。どれも円で100円から買え、新NISAの成長投資枠の対象です。
| ファンド名(通称) | 実質的なコスト(年・税込) | 決算(分配) | 純資産 | 主な取扱 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)(楽天・SCHD) | 0.1238%程度 | 年4回(2・5・8・11月) | 約2,790億円 | 楽天証券 |
| 楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(資産成長型) | 0.1238%程度 | 分配を抑えて再投資 | 約99億円 | 楽天証券 |
| SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)(SBI・SCHD) | 0.1227%程度 | 年4回(3・6・9・12月) | 約2,458億円 | SBI証券 |
| Tracers DJ USディビデンド100(米国高配当株式)年4回分配型 | 信託報酬0.10725%+ETFの経費率0.06% | 年4回(1・4・7・10月) | - | SBI証券、マネックス証券、松井証券など |
※純資産は2026年10月23日時点(ウエルスアドバイザー)。実質的なコストは、ファンドの信託報酬にSCHDの経費率を含めた目安です。
楽天・SCHDは2024年9月に「SCHDに投資する国内初の公募投資信託」として登場し、2025年5月にコストの引き下げと名称変更(旧名:楽天・高配当株式・米国ファンド)が行われました。SBI・SCHDは2024年12月に設定されています。どちらもコストはSCHD本体(0.06%)より少し高い程度で、NISAで非課税にできることを考えると、日本の個人投資家にとっては投資信託版が現実的な選択肢になります。
なお、分配の月はファンドによって違うので、複数を組み合わせて分配月をずらす使い方もできます。分配金を受け取らずに複利で増やしたい場合は、楽天の「資産成長型」も選べます。取り扱いやコストは変わることがあるので、購入前に各証券会社のページで最新の情報を確認してください。
では、一般枠(特定口座)でも買いなのか?
私は、SCHDに投資するならまず新NISAの成長投資枠で投資信託版を買うのがよいと思います。SCHDの魅力は「配当が年々増えていく」ことにあり、長く持つほど効果が大きくなります。そして、長く持つ商品ほど、分配金に国内の税金がかからないNISAとの相性がよいからです。
特定口座で持つ場合は、分配金を受け取るたびに米国で10%、日本で20.315%の税金がかかります。とはいえ、SCHDは年4回の分配で利回りも3%前後なので、毎月分配で利回りの高いJEPIなどと比べると、税金で目減りする分は小さめです。NISA枠を使い切った人が特定口座で追加するのも、私はアリだと思います。なお、NISA口座でも、米国で差し引かれる10%は戻ってこない点を覚えておきましょう。
ただし、「今すぐたくさんの分配金がほしい」という方には、利回り3%前後は物足りないかもしれません。SCHDは「10年後、20年後に受け取る配当を増やしていく」ためのETFだと考えたほうがよさそうです。
SCHDの詳細情報(2026年10月時点)
SCHDの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄コード | SCHD |
| 運用会社 | Charles Schwab Asset Management |
| 設定日 | 2011年10月20日 |
| 連動指数 | ダウ・ジョーンズ U.S. ディビデンド100指数 |
| 株価 | 35.27ドル(2026年10月23日終値) |
| 純資産 | 約1,191億ドル |
| 保有銘柄数 | 102銘柄 |
| 経費率 | 0.06% |
| 分配頻度 | 年4回(3・6・9・12月) |
| 株式分割 | 2024年10月に1株→3株 |
SCHDの配当利回り・権利落ち日
SCHDの直近12か月(4回分)の分配金は合計約1.05ドルで、配当利回りは約3.0%です(2026年10月時点)。1回あたりの分配金はおおむね0.25〜0.28ドルです。
| 権利落ち日 | 支払日 | 1株あたりの分配金 |
|---|---|---|
| 2026年9月23日 | 2026年9月28日 | 0.2665ドル |
| 2026年6月24日 | 2026年6月29日 | 0.2525ドル |
| 2026年3月25日 | 2026年3月30日 | 0.2569ドル |
| 2025年12月10日 | 2025年12月15日 | 0.2782ドル |
| 2025年9月24日 | 2025年9月29日 | 0.2604ドル |
| 2025年6月25日 | 2025年6月30日 | 0.2602ドル |
| 2025年3月26日 | 2025年3月31日 | 0.2488ドル |
| 2024年12月11日 | 2024年12月16日 | 0.2645ドル |
※米国株は権利落ち日の前営業日までに保有している必要があります。分配金は株式分割後の基準です。
SCHDの増配の実績
SCHDのいちばんの特徴が増配です。1年間(1〜12月)の分配金の合計は、2012年から2025年まで毎年増えています。2015年から2025年の10年間で約2.7倍、年平均にすると約10.6%のペースで増えた計算です。
| 年 | 1年間の分配金(1株あたり) | 前年比 |
|---|---|---|
| 2025年 | 1.0476ドル | +5.4% |
| 2024年 | 0.9944ドル | +12.2% |
| 2023年 | 0.8860ドル | +3.8% |
| 2022年 | 0.8538ドル | +13.9% |
| 2021年 | 0.7497ドル | +10.9% |
| 2020年 | 0.6761ドル | +17.7% |
| 2019年 | 0.5747ドル | +19.8% |
| 2015年 | 0.3822ドル | - |
※株式分割後の基準。1回ごとの分配金は前年の同じ時期より減ることもあり、毎回必ず増えるわけではありません。2026年は9月までの3回の合計が0.7759ドルで、前年の同じ時期(0.7694ドル)より約0.8%多い水準です。
SCHDの経費率
SCHDの経費率は0.06%です。100万円分持っていても年間のコストは約600円で、高配当ETFの中でもかなり低い水準です。投資信託版でも実質0.12%程度に収まっているので、コスト面で困ることはほとんどないといえるのではないでしょうか。
投資対象とポートフォリオ
SCHDが投資する主な銘柄
SCHDは約100銘柄に投資しており、日用品、エネルギー、ヘルスケア、半導体、小売など、配当を長く出し続けている成熟企業が中心です。1銘柄あたりの比率の上限があるため、上位10銘柄はどれも4%前後に並んでいます。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | プロクター・アンド・ギャンブル(PG) | 4.40% |
| 2 | テキサス・インスツルメンツ(TXN) | 4.30% |
| 3 | コカ・コーラ(KO) | 4.24% |
| 4 | シェブロン(CVX) | 4.20% |
| 5 | ユナイテッドヘルス・グループ(UNH) | 4.17% |
| 6 | コノコフィリップス(COP) | 4.16% |
| 7 | ホーム・デポ(HD) | 4.03% |
| 8 | クアルコム(QCOM) | 3.99% |
| 9 | アムジェン(AMGN) | 3.96% |
| 10 | ペプシコ(PEP) | 3.87% |
※2026年10月23日時点。上位10銘柄の合計は約41%です。アップルやエヌビディアのような大型ハイテク株はほとんど含まれていません。
SCHDのメリット3選
- 配当が年々増えてきた:1年間の分配金は2012年から2025年まで毎年増え、10年で約2.7倍になりました。買った時の値段に対する利回り(取得利回り)が、持ち続けるほど上がっていくのが魅力です。
- 財務の健全な企業に分散できる:10年以上の連続配当に加え、稼ぐ力や借金に対する現金の多さで銘柄を選ぶため、「利回りは高いが業績が苦しい企業」を避けやすい仕組みです。1銘柄4.5%、1業種25%の上限で偏りも抑えられています。
- コストが低く、新NISAでも投資できる:経費率は0.06%と非常に低く、純資産も約1,191億ドルと大きいETFです。日本では投資信託版を使えば、実質0.12%程度のコストで新NISAの成長投資枠に入れられます。
SCHDのデメリット3選
- 日本ではSCHD本体を買えない:国内の証券会社ではSCHD本体を扱っていないため、日本の個人投資家は投資信託版を選ぶことになります。投資信託版は1株単位ではなく口数(円)で買う商品なので、「ETFを株数で集めたい」人には不向きです。
- 利回りは高配当ETFとしては控えめ:利回りは約3.0%で、SPYD(約4.2%)やJEPI(約8.0%)より低めです。また、2026年は9月までの分配金が前年同期比で約0.8%増にとどまり、これまでより増配のペースがゆるやかになっています。
- ハイテク株が少なく、上昇相場で置いていかれやすい:配当の多い成熟企業が中心で、大型ハイテク株はほとんど含まれていません。ハイテク株が引っぱる上昇相場では、S&P500などの指数に値上がりで負けやすい点は理解しておきましょう。
SCHDと似たETFとの違い
同じ「高配当」でも、銘柄の選び方や分配の仕組みが違うと、利回りや値動き、NISAでの扱いが変わります。主な高配当ETFと比べると、次のとおりです。
※2026年10月23日時点(stockanalysis.com)。NISAの扱いは変わることがあるので、購入前に証券会社で確認してください。
特にJEPIとは性格がまったく違います。JEPIは、株の配当にオプションを売って得るプレミアム収入を上乗せし、利回り約8%の分配金を毎月出すETFです。一方のSCHDは、オプションを使わず企業が払う配当だけを年4回分配し、その配当が年々増えていくことを狙います。JEPIの分配金は相場の変動の大きさで上下し、前年より減る年もあります。これに対してSCHDの分配金は、1年間の合計で見ると毎年増えてきました。さらに、JEPIは毎月分配とデリバティブの利用で新NISAの対象外ですが、SCHDは投資信託版を通じて新NISAで持てます。「今の収入を最大にしたい」ならJEPI、「将来の収入を育てたい」ならSCHD、と考えると分かりやすいと思います。
利回りをもう少し高くしたいならSPYD、もっと多くの銘柄に分散したいならVYMも候補になります。なお、HDVは2026年に毎月分配へ変わったため、これから新NISAで買う候補からは外れる点に注意してください。
SCHDはどんな人に向いている?
向いている人
- 10年、20年と長く持って、受け取る配当を少しずつ増やしていきたい人
- 新NISAの成長投資枠で、低コストの高配当商品を持ちたい人
- 配当だけでなく、ある程度の値上がり益も期待したい人
向いていない人
- 今すぐ高い分配金(利回り5%以上など)がほしい人
- 毎月分配金を受け取りたい人
- ハイテク株の成長にしっかり乗って、資産を最大限増やしたい人
まとめ
SCHDを分配金で四半期に1株買うには何株必要?
SCHDの株価は35.27ドル、直近1年の分配金は合計約1.05ドルなので、1回(四半期)あたりの分配金は平均約0.26ドルです。米国10%・国内20.315%の税金を引くと、1株あたりの手取りは1回あたり約0.189ドルになります。
35.27ドル ÷ 0.189ドル = 約187株。つまり、約187株あれば四半期ごとの分配金で1株ずつ買い増せる計算です(外国税額控除は考慮していません)。なお、SCHD本体は国内の証券会社では買えないため、この計算は、必要な投資額のイメージをつかむための目安として見てください。
月1万円の分配金を得るには何株必要?
1ドル=150円で計算すると、月1万円は約66.7ドル、1年で約800ドルです。SCHDの分配は年4回なので、実際には四半期ごとに約3万円ずつ受け取るイメージになります。1株あたりの年間の手取りは約0.756ドル(1.05ドル×税引き後)なので、800ドル ÷ 0.756ドル = 約1,060株、金額にして約3万7,000ドル(約560万円)が目安になります。
新NISAで投資信託版を持つ場合は国内の税金がかからないため、必要な金額はこれより少なくなります。為替や分配金の変動で必要な金額は変わるので、あくまで目安として考えてください。
最後に
米国のETF「SCHD」の特徴や増配の実績、投資のメリット・デメリット、新NISAでの扱いなどを2026年10月時点の最新データで解説しました。
SCHDは利回りだけを見ると目立ちませんが、財務の健全な企業に分散しながら、受け取る配当を年々増やしていくことを狙えるETFです。日本ではSCHD本体は買えないものの、楽天・SCHDやSBI・SCHDといった低コストの投資信託を通じて、新NISAの成長投資枠で非課税のメリットを活かせます。
何よりも、時間を味方につけて「将来の不労所得」を育てていきたい人にとって、SCHDは良い選択肢の一つになるのではないかと思います。
※本記事のデータは2026年10月23日時点のものです(出典:stockanalysis.com、DividendVision、S&P Dow Jones Indices資料、楽天証券、ウエルスアドバイザー、みんかぶ、投資の基礎知識ほか)。投資の判断はご自身の責任で行ってください。

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