この記事では、米国の高配当ETF「HDV」について、2026年10月時点の最新データで特徴・配当・新NISAでの扱い・メリットとデメリットを解説します。2026年に入って株式分割と毎月分配への変更があり、以前とは数字の見え方が大きく変わっているので注意してください。
この記事の結論
- HDVは、財務が健全な米国の高配当株74銘柄に投資する、経費率0.08%の低コストな高配当ETF
- 2026年6月から毎月分配に変わったため、新NISA(成長投資枠)では新しく買えなくなった。すでにNISAで持っている分はそのまま非課税で持ち続けられる
- 値上がり益よりも、エネルギー・生活必需品・ヘルスケアといったディフェンシブな業種からの配当を重視する人向け
- 分配利回りは約3.2%。分配金で毎月1株ずつ買い増すには約530株、月1万円の分配金を得るには約1,160株が目安(特定口座の場合)
HDVとは何か?
HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)は、アメリカの資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)社が運用するインデックス型のETF(上場投資信託)の一つです。このETFは、米国の大型株の中でも配当利回りの高い銘柄に投資し、安定した配当収入と長期的な値上がり益の両方を目指しています。2011年3月に設定され、純資産は約160億ドル(2026年10月時点)です。本記事では、HDVの特徴や利点、リスクなどを詳しく解説していきます。
HDVが提供する投資機会とは?
HDVは、高配当株への投資を通じて安定した配当収入を得たい投資家にとって、魅力的な選択肢です。連動を目指すのは「モーニングスター配当利回りフォーカス指数」です。この指数は、米国株の中から財務の健全性が高く、配当を続けられそうな高配当銘柄を選んでいます。
2026年の2つの変更点をかんたんに
HDVには2026年に大きな変更が2つありました。
- 1株を5株に分割(2026年4月29日から):分割後の株価は30ドル前後です。持っている株の価値そのものは変わりませんが、少ない金額から買いやすくなっています。
- 四半期分配から毎月分配へ(2026年6月から):これまでは3・6・9・12月の年4回でしたが、7月からは毎月分配金が出るようになりました。権利落ち日は原則として毎月第3水曜日です。
このため、ネット上の古い記事にある「株価100ドル」「1回の分配金0.8〜1.0ドル」といった数字は、今のHDVにはそのまま当てはまりません。
新NISAには使えるのか?
結論から言うと、HDVは2026年6月から新NISAの成長投資枠で新しく買うことができなくなりました。つみたて投資枠も対象外です。
HDVはもともと年4回分配だったため対象でしたが、毎月分配に変わったことで「毎月分配型」に当てはまってしまいました。新NISAの成長投資枠には金融庁が定めた商品の基準があり、次のような商品は対象から外されています。
- 毎月分配型の商品
- ヘッジ目的以外でデリバティブ取引を使う商品
- 信託期間が20年未満の商品(投資信託の場合)
なお、すでにNISA口座で持っているHDVは、売る必要はなく、そのまま非課税で持ち続けられます。分配金も引き続き国内では非課税です(米国の10%の税金は差し引かれます)。NISAでの積立設定や未約定の注文は証券会社側で取り消されている場合があるので、ご自身の口座を一度確認してください。
NISAでHDVと同じ指数に投資したい場合は?
東証に上場している「iシェアーズ 米国高配当株 ETF(銘柄コード:2013)」は、HDVと同じモーニングスター配当利回りフォーカス指数への連動を目指すETFです。分配は年4回(2月・5月・8月・11月)で、ブラックロックは成長投資枠の対象商品としています。円で買える一方、信託報酬は年0.121%(税込)とHDVより少し高めです。取り扱いは証券会社によって異なることがあるので、購入前に各証券会社のページで最新の情報を確認してください。
では、一般枠(特定口座)でも買いなのか?
キャピタルゲインを大きく狙いたい、つまり資産をできるだけ速く増やしたいという方には、あまり向いていないと思います。HDVはエネルギーや生活必需品などの成熟した企業が中心で、ハイテク株の比率が低いため、上昇相場ではS&P500に置いていかれやすいからです。また、特定口座で持つと分配金のたびに米国で10%、国内で20.315%の税金がかかります。
なお、米国で差し引かれた10%は、確定申告で「外国税額控除」を受けると一部を取り戻せます。特定口座で持つなら覚えておきたい制度です。
一方で、経費率0.08%という低コストで、景気に左右されにくい業種からの配当を毎月の分配金として受け取れる点は、HDVならではの強みです。資産拡大よりも、配当という「働かずに入ってくるお金」を少しずつ育てたい方にとっては、特定口座でも検討する価値はあると私は考えています。

私はHDVを現在334株持っています。(2026年10月現在)
2026年1月〜10月に受け取った分配金は、計算上約236ドル(税引き前)です。
HDVの詳細情報(2026年10月時点)
HDVの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄コード | HDV |
| 正式名称 | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(iShares Core High Dividend ETF) |
| 運用会社 | BlackRock(iShares) |
| 設定日 | 2011年3月29日 |
| 連動指数 | モーニングスター配当利回りフォーカス指数 |
| 株価 | 30.42ドル(2026年10月23日終値) |
| 純資産 | 約160億ドル |
| 保有銘柄数 | 74銘柄 |
| 経費率 | 0.08% |
| 分配頻度 | 毎月(2026年6月までは年4回) |
| 新NISA成長投資枠 | 対象外(2026年6月から) |
HDVの配当利回り・権利落ち日
HDVの直近12か月の分配金は合計0.96ドルで、分配利回りは約3.2%です(2026年10月23日の株価で計算)。運用会社の公表値(12か月トレーリング利回り)は3.05%(2026年9月30日時点)です。毎月分配に変わってからの分配金は、1株あたり0.06〜0.11ドルの間で動いています。
| 権利落ち日 | 支払日 | 1株あたりの分配金 |
|---|---|---|
| 2026年10月21日 | 2026年10月26日 | 0.10632ドル |
| 2026年9月16日 | 2026年9月21日 | 0.05596ドル |
| 2026年8月19日 | 2026年8月24日 | 0.10462ドル |
| 2026年7月15日 | 2026年7月20日 | 0.08739ドル |
| 2026年6月15日 | 2026年6月18日 | 0.18505ドル |
| 2026年3月17日 | 2026年3月20日 | 0.16859ドル |
| 2025年12月16日 | 2025年12月19日 | 0.25058ドル |
| 2025年9月16日 | 2025年9月19日 | 0.18992ドル |
※2026年6月までは四半期分配、7月からは毎月分配です。2026年4月の株式分割(1株→5株)より前の分配金は、分割後の1株あたりに換算した金額です。米国株は権利落ち日の前営業日までに保有している必要があります。
HDVの経費率
HDVの経費率は0.08%と低水準で、コストを抑えて運用されています。また、ETFなので株式と同じように市場で売買でき、使い勝手がよいのも特徴です。
投資対象とポートフォリオ
HDVが投資する主な銘柄
HDVは74銘柄に投資していますが、上位10銘柄で全体の約56%を占めており、高配当ETFの中では少数の銘柄への集中度が高いのが特徴です。業種別では生活必需品(約27%)、エネルギー(約25%)、ヘルスケア(約13%)が上位で、ハイテク株はほとんど入っていません。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | エクソンモービル(XOM) | 9.31% |
| 2 | シェブロン(CVX) | 7.11% |
| 3 | アッヴィ(ABBV) | 6.69% |
| 4 | プロクター・アンド・ギャンブル(PG) | 5.63% |
| 5 | ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ) | 5.22% |
| 6 | フィリップ・モリス・インターナショナル(PM) | 4.97% |
| 7 | ホーム・デポ(HD) | 4.66% |
| 8 | コカ・コーラ(KO) | 4.41% |
| 9 | ペプシコ(PEP) | 4.01% |
| 10 | アルトリア・グループ(MO) | 3.85% |
※上位銘柄・業種別の比率は、いずれも2026年10月22日時点の運用会社の公表値です。
HDVのメリット3選
- 高配当株への投資により、安定的な配当収入が期待できる:財務が健全で配当を続けられそうな企業を選ぶ指数に連動しているため、利回りだけで選ぶ高配当ETFより「減配しにくい会社」に寄せた中身になっています。2026年7月からは分配金を毎月受け取れるようになりました。
- 低コストで運用されている:経費率は0.08%。100万円分を1年持っても、かかるコストは約800円です。
- 景気に左右されにくい業種が中心:生活必需品・エネルギー・ヘルスケアといったディフェンシブな業種が中心です。分散投資で個別銘柄のリスクを抑えつつ、ハイテク株の比率が高いS&P500とは違う値動きをポートフォリオに取り入れられます。
HDVのデメリット3選
- 新NISAで新しく買えなくなった:2026年6月の毎月分配への変更で成長投資枠の対象外になりました。これから買う場合は特定口座になり、分配金に米国10%・国内20.315%の税金がかかります。
- 市場全体より成績が劣る可能性がある:ハイテク株がほとんど入っていないため、AIやハイテク株が引っ張る上昇相場ではS&P500に置いていかれやすいです。また、株式投資である以上、価格変動リスクは避けられません。
- 銘柄・業種の偏りと為替リスク:上位10銘柄で約56%を占めるなど、一部の銘柄への集中度が高めです。エネルギー株だけで約25%あるため、原油価格の影響も受けやすくなっています。さらに米ドル建てのETFであるため、円高局面では為替差損が発生する可能性があります。
HDVと似たETFとの違い
同じ「米国高配当ETF」でも、銘柄の選び方や分配の回数が違うと、利回りや新NISAでの扱いが変わります。主なETFと比べると、次のとおりです(2026年10月23日時点)。
※利回りは直近12か月の分配金÷2026年10月23日の株価。新NISAの扱いは証券会社によって異なる場合があるので、購入前に確認してください。
NISAで米国の高配当ETFを持ちたい場合は、年4回分配のSPYDやVYM、SCHDが候補になります。より高い利回りを毎月受け取りたいならJEPIもありますが、オプション取引を使うため値上がり益は限られ、HDVと同じく新NISAでは買えません。
HDVはどんな人に向いている?
向いている人
- 低コストで米国の高配当株に投資し、分配金を毎月受け取りたい人
- ハイテク株中心の資産に、ディフェンシブな業種を組み合わせて分散したい人
- すでにNISAでHDVを持っていて、非課税のまま保有を続けたい人
向いていない人
- これから新NISAの成長投資枠で高配当ETFを買いたい人
- 20〜30年かけて資産を最大限増やしたい人
- エネルギー株など特定の業種への偏りを避けたい人
まとめ
HDVを分配金で毎月1株買うには何株必要?
HDVは2026年7月から毎月分配になったため、「毎月1株」で計算します。HDVの株価は約30.4ドルです。直近12か月の分配金0.96ドルを12で割ると、1か月あたりの分配金は平均約0.08ドルになります。特定口座の場合、米国10%・国内20.315%の税金を引くと、1株あたりの手取りは月に約0.057ドルになります。
30.4ドル ÷ 0.057ドル = 約530株。つまり、約530株あれば毎月の分配金で1株ずつ買い増せる計算です(外国税額控除は考慮していません)。すでにNISAで持っている場合は国内の税金がかからないので、手取りは約0.072ドル、必要な株数は約420株になります。
月1万円の分配金を得るには何株必要?
1ドル=150円で計算すると、月1万円は約67ドルです。特定口座の手取り0.057ドル/株で割ると約1,160株、金額にして約3万5,000ドル(約530万円)が目安になります。為替や分配金の変動で必要な株数は変わるので、あくまで目安として考えてください。
最後に
米国のETF「HDV」の特徴や投資のメリット・デメリット、新NISAでの扱いなどを2026年10月時点の最新データで解説しました。
HDVは高配当ETFとして人気が高まってきましたが、2026年6月に毎月分配へ変わったことで、新NISAでは新しく買えなくなりました。
私自身は以前、旧NISAで購入したHDVを手放したこともありましたが、現在は334株を保有しています。
何よりも、働かずにお金が入ってくる仕組みを作れる点に魅力を感じる人にとっては、良い選択肢の一つになるのではないかと思います。
※本記事のデータは2026年10月23日時点のものです(出典:BlackRock(iShares)、stockanalysis.com、ブラックロック・ジャパンほか)。新NISAでの取り扱いは各証券会社でご確認ください。投資の判断はご自身の責任で行ってください。


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