この記事では、米国の高配当ETF「JEPQ」について、2026年10月時点の最新データで特徴・配当・新NISAでの扱い・メリットとデメリットを解説します。当ブログで人気のJEPIの記事から来てくださった方に向けて、JEPIとの違いも詳しくまとめました。
この記事の結論
- JEPQはナスダック100の銘柄+オプション取引で年11%台の分配金を毎月出す高配当ETF。JEPIの「ナスダック版」の兄弟ETF
- 新NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)では買えない。投資信託版の「楽天・JEPQ」も毎月決算型で、楽天証券の案内では特定/一般口座での購入とされている
- JEPIより利回りも値動きも大きい。毎月の現金収入を重視しつつ、ハイテク株の成長も少しは取りたい人向け
- 分配金で毎月1株ずつ買い増すには約143株、月1万円の分配金を得るには約163株が目安
JEPQとは何か?
JEPQ(JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF)は、JPモルガン・アセット・マネジメントが2022年5月3日に設定したアクティブ運用のETF(上場投資信託)です。純資産は約428億ドル(2026年10月時点)と、JEPI(約460億ドル)に迫る規模まで成長しています。
JEPQが提供する投資機会とは?
JEPQは、毎月の高い分配金と米国ハイテク・グロース株への投資を両立させたい投資家に向けたETFです。ナスダック100指数の構成銘柄を中心に株式を保有し、さらにナスダック100指数のコールオプションを売ることで得られるプレミアム収入を、株の配当と合わせて毎月分配します。
ナスダック100はS&P500より値動きが大きい指数です。オプションのプレミアムは値動きが大きいほど高くなるため、同じ仕組みでもJEPIより分配金が多くなりやすいのが特徴です。
ELN(エクイティ・リンク債)の仕組みをかんたんに言うと
JEPQはオプションを直接売るのではなく、ELN(エクイティ・リンク債)という債券を通じてコールオプションを売っています。ELNは銀行が発行する債券で、中に「ナスダック100のコールオプションを売る取引」が組み込まれています。オプションを売って得たプレミアムがELNの利息(クーポン)としてJEPQに支払われ、それが分配金の主な原資になります。
考え方はJEPIの記事で紹介したカバードコール戦略と同じで、「株を持ったまま、その株を決めた価格で買える権利(コールオプション)を他の人に売り、その代金を受け取る」というものです。横ばいや緩やかな相場では上乗せの収入になりますが、株価が大きく上がった時の値上がり益は一部しか受け取れません。また、ELNを通じて取引している分、発行元である銀行の信用リスクもわずかに負うことになります。
新NISAには使えるのか?
結論から言うと、JEPQは新NISAの成長投資枠でも、つみたて投資枠でも投資できません。理由はJEPIと同じです。
新NISAの成長投資枠には金融庁が定めた商品の基準があり、次のような商品は対象から外されています。JEPQは毎月分配を行い、運用にオプション(デリバティブ)も使っているため、対象外となる条件に当てはまってしまいます。
- 毎月分配型の商品
- ヘッジ目的以外でデリバティブ取引を使う商品
- 信託期間が20年未満の商品(投資信託の場合)
対象かどうかは各証券会社のサイトに表示されるので、念のため購入前に、お使いの証券会社の「成長投資枠の対象銘柄」で確認してください。
投資信託版の「楽天・JEPQ」ならNISAで買える?
JEPQに投資する投資信託として、2025年8月14日に「楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)」(愛称:楽天・JEPQ)が設定されています。円で100円から買えるのが特徴です。
ただし、毎月決算型で、楽天証券の案内ページでも購入できる口座は「特定/一般口座」とされており、NISA口座で買える商品としては案内されていません。実質的なコストは、ファンド分の年0.308%にJEPQの経費率0.35%を足した年0.658%程度で、JEPQを直接買うより高くなります。信託期間も2035年8月14日までと決まっています。購入前に各証券会社のページで最新の取り扱いを確認してください。
| 項目 | JEPQ(米国ETF) | 楽天・JEPQ(投資信託) |
|---|---|---|
| 買い方 | ドルで1株単位 | 円で100円から |
| コスト(年) | 0.35% | 0.658%程度(実質) |
| 分配 | 毎月 | 毎月決算(毎月15日) |
| 新NISA | × | ×(特定/一般口座で購入) |
では、一般枠(特定口座)でも買いなのか?
キャピタルゲイン(値上がり益)で資産を大きく増やしたいという方には、JEPQは向いていないと私は思います。JEPQは毎月分配金が入り、そのたびに米国で10%、日本で20.315%の税金がかかってしまうからです。ナスダック100の成長をそのまま取りたいなら、分配金が少なく値上がり益を狙うQQQのようなETFの方が効率がよさそうです。
なお、米国で差し引かれた10%は、確定申告で「外国税額控除」を受けると一部を取り戻せます。特定口座で持つなら覚えておきたい制度です。
一方で、毎月お小遣いのように高い分配金を受け取りつつ、ハイテク株の値上がりも少しは取りたいという方には、良い選択肢になると私は考えています。JEPIと組み合わせて、安定性と利回りのバランスを取るのも一つの方法です。
JEPQの詳細情報(2026年10月時点)
JEPQの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄コード | JEPQ |
| 運用会社 | JPMorgan Asset Management |
| 設定日 | 2022年5月3日 |
| 株価 | 58.43ドル(2026年10月23日終値) |
| 52週の値幅 | 53.51〜61.72ドル |
| 純資産 | 約428億ドル |
| 保有銘柄数 | 110銘柄 |
| 経費率 | 0.35% |
| 分配頻度 | 毎月 |
JEPQの配当利回り・権利落ち日
JEPQの直近12か月の分配金は合計6.88ドルで、配当利回りは約11.8%です(2026年10月時点)。分配金は毎月同じではなく、1株あたり0.47〜0.71ドルの間で動いています。直近1年の分配金は前年より約15%増えました。
| 権利落ち日 | 支払日 | 1株あたりの分配金 |
|---|---|---|
| 2026年10月1日 | 2026年10月5日 | 0.5669ドル |
| 2026年9月1日 | 2026年9月3日 | 0.6826ドル |
| 2026年8月3日 | 2026年8月5日 | 0.7050ドル |
| 2026年7月1日 | 2026年7月6日 | 0.6366ドル |
| 2026年6月1日 | 2026年6月3日 | 0.5644ドル |
| 2026年5月1日 | 2026年5月5日 | 0.5910ドル |
| 2026年4月1日 | 2026年4月6日 | 0.5586ドル |
| 2026年3月2日 | 2026年3月4日 | 0.5090ドル |
| 2026年2月2日 | 2026年2月4日 | 0.4657ドル |
| 2025年12月31日 | 2026年1月5日 | 0.5761ドル |
| 2025年12月1日 | 2025年12月3日 | 0.5532ドル |
| 2025年11月3日 | 2025年11月5日 | 0.4755ドル |
※米国株は権利落ち日の前営業日までに保有している必要があります。
JEPQの経費率
JEPQの経費率は0.35%で、JEPIと同じです。アクティブ運用のETFは、パッシブ運用に比べて経費率が高めに設定される傾向があり、中には1%前後かかるものもあります。それを考えれば、良心的なコストといえるのではないでしょうか。
投資対象とポートフォリオ
JEPQが投資する主な銘柄
JEPQは約110銘柄に投資していますが、ナスダック100が中心のため、エヌビディアやアップルなど大型ハイテク株の比率が高くなっています。上位10銘柄だけで約42%を占めており、上位10銘柄で約18%のJEPIと比べるとかなり集中しています。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | エヌビディア(NVDA) | 7.06% |
| 2 | アップル(AAPL) | 6.91% |
| 3 | マイクロソフト(MSFT) | 5.52% |
| 4 | アルファベット(GOOG) | 4.56% |
| 5 | マイクロン・テクノロジー(MU) | 4.22% |
| 6 | アマゾン・ドット・コム(AMZN) | 3.85% |
| 7 | アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) | 3.46% |
| 8 | メタ・プラットフォームズ(META) | 2.73% |
| 9 | テスラ(TSLA) | 2.19% |
| 10 | ウォルマート(WMT) | 1.90% |
※2026年10月23日時点。上位10銘柄の合計は約42%です。
コールオプション取引の活用
JEPQは上記の株式ポートフォリオに加えて、ナスダック100指数のコールオプションを売る取引を組み込んだELN(エクイティ・リンク債)を保有しています。このELNから得られるプレミアム収入が、高い分配金の主な原資になっています。
JEPQとJEPIの違いは?どちらを選ぶべき?
JEPQとJEPIは、同じJPモルガンが運用し、同じ「株+ELNでオプションを売る」仕組みを使う兄弟ETFです。経費率も0.35%で同じですが、投資している株が違うため、利回りや値動きの性格がかなり変わります。JEPIの記事と見比べながら読んでみてください。
| 項目 | JEPQ | JEPI |
|---|---|---|
| 投資対象 | ナスダック100中心(ハイテク・グロース株) | S&P500中心(値動きの小さい大型株) |
| オプションの対象 | ナスダック100指数 | S&P500指数 |
| 保有銘柄数 | 110銘柄 | 137銘柄 |
| 上位10銘柄の比率 | 約42% | 約18% |
| 配当利回り | 約11.8% | 約8.0% |
| 経費率 | 0.35% | 0.35% |
| ベータ(市場との連動の強さ) | 0.83 | 0.53 |
| 直近1年のトータルリターン | 13.70% | 7.47% |
| 設定日 | 2022年5月3日 | 2020年5月20日 |
※2026年10月23日時点。トータルリターンは分配金込み(stockanalysis.com)。
違い①:投資対象(ハイテク集中か、幅広い分散か)
JEPIは金融(カード決済を含む)、エネルギー、ヘルスケア、公益など幅広い業種に分散し、1銘柄の比率は最大でも2%程度です。一方のJEPQは、エヌビディア・アップル・マイクロソフトの3銘柄だけで約19%を占めるなど、ハイテク大型株への集中度が高いポートフォリオです。AIや半導体の成長の恩恵を受けやすい反面、ハイテク株が売られる局面では影響を強く受けます。
違い②:利回り(JEPQの方が高い)
2026年10月時点の配当利回りは、JEPQが約11.8%、JEPIが約8.0%です。ナスダック100はS&P500より値動きが大きいため、売るオプションのプレミアムも高くなり、その分、分配金が多くなります。直近1年の分配金は、JEPIが前年より約4%減ったのに対し、JEPQは約15%増えました。
ただし、利回りが高いのは「値動きが大きい(リスクが高い)」ことの裏返しでもあります。相場が落ち着けばプレミアムも減り、分配金が下がる可能性がある点は両者共通です。
違い③:値動き(JEPQの方が大きい)
市場全体との連動の強さを示すベータは、JEPQが0.83、JEPIが0.53です。JEPIは「値動きのおだやかさ」を重視した設計ですが、JEPQはハイテク株の値動きの影響をより強く受けます。直近1年の株価の値幅も、JEPQは53.51〜61.72ドル(約15%)、JEPIは55.10〜59.90ドル(約9%)と、JEPQの方が上下に大きく動いています。
違い④:上昇相場での強さ(JEPQの方が強いが、QQQには届かない)
ハイテク株が上がった直近1年では、分配金込みのトータルリターンがJEPQ 13.70%、JEPI 7.47%と、JEPQがJEPIを大きく上回りました。ただし、ナスダック100にそのまま連動するQQQは16.88%で、JEPQはそれには届いていません。コールオプションを売っている分、大きな上昇の一部をあきらめているためです。
※2026年10月23日時点、分配金込み(stockanalysis.com)。過去の成績は将来を保証するものではありません。
結局どちらを選ぶ?
私の考えでは、「値動きを抑えて安定した分配金」ならJEPI、「多少のブレは受け入れて利回りと成長性」ならJEPQです。どちらか一方に絞らず、両方を持って分配金の安定性と利回りのバランスを取るのも一つの方法だと思います。JEPIの詳しい特徴はこちらの記事で解説しています。
JEPQのメリット3選
- 毎月、とても高い分配金がもらえる:直近12か月の利回りは約11.8%。株の配当に加えてナスダック100のオプションのプレミアム収入があるため、JEPIや一般的な高配当ETFより分配金が多めです。
- ハイテク株の成長も一部取れる:エヌビディアやアップルなどナスダック100の大型株を持っているため、上昇相場ではJEPIより値上がり益を取りやすく、直近1年のトータルリターンは13.70%でした。
- 規模が大きくコストも低め:純資産は約428億ドルと大きく、売買しやすいETFです。経費率0.35%はアクティブETFとしては低い水準です。
JEPQのデメリット3選
- 上昇相場ではQQQに負ける+値動きはJEPIより大きい:コールオプションを売っているため、大きな上昇の一部しか受け取れません。一方で、ハイテク株が下がる局面では下落の影響をしっかり受けるため、「下げはそれなり、上げは控えめ」になりやすい点は理解しておきましょう。
- 分配金は一定ではない:オプションのプレミアムは相場の変動の大きさで変わるため、分配金は毎月変動します。直近1年でも1株あたり0.47〜0.71ドルと、月によって1.5倍ほどの差がありました。
- 税金面で不利:新NISAが使えず、分配のたびに米国10%・国内20.315%の税金がかかります。複利で増やしたい人には効率がよくありません。
JEPQと似たETFとの違い
同じ「オプション収入で高配当」のETFでも、投資対象や仕組みが違うと値動きや分配金の性格が変わります。当ブログで解説している主なETFと比べると、次のとおりです。
同じナスダック100を対象にするQYLDは、保有する株のほぼ全体にカバードコールをかけるため、値上がり益はJEPQ以上に限られます。S&P500版のXYLDも同様です。値上がり益と分配金のバランスを取りたいならJEPQ、さらに値動きを抑えたいならJEPIが候補になると私は考えています。
JEPQはどんな人に向いている?
向いている人
- 毎月の現金収入(インカム)を重視しつつ、JEPIより高い利回りを狙いたい人
- ハイテク株の成長の恩恵も、ある程度は受けたい人
- NISA枠は別の商品で使い切っていて、特定口座で高配当を狙いたい人
向いていない人
- 20〜30年かけて資産を最大限増やしたい人
- 新NISAの非課税メリットを最大限に活かしたい人
- 値動きの大きさや、分配金の額が毎月変わることを気にする人(その場合はJEPIの方が合うかもしれません)
まとめ
JEPQを分配金で毎月1株買うには何株必要?
JEPQの株価は約58.4ドル、毎月の分配金は平均で約0.57ドルです(直近12か月合計6.88ドル÷12)。米国10%・国内20.315%の税金を引くと、1株あたりの手取りは月に約0.41ドルになります。
58.4ドル ÷ 0.41ドル = 約143株。つまり、約143株あれば毎月の分配金で1株ずつ買い増せる計算です(外国税額控除は考慮していません)。JEPIの約210株より少なくて済むのは、利回りが高いためです。
月1万円の分配金を得るには何株必要?
1ドル=150円で計算すると、月1万円は約67ドルです。手取り0.41ドル/株で割ると約163株、金額にして約9,500ドル(約143万円)が目安になります。為替や分配金の変動で必要な株数は変わるので、あくまで目安として考えてください。
最後に
米国のETF「JEPQ」の特徴や投資のメリット・デメリット、新NISAでの扱い、JEPIとの違いなどを2026年10月時点の最新データで解説しました。
JEPQはJEPIより利回りが高く、ハイテク株の成長も一部取れる一方で、値動きは大きくなります。安定重視ならJEPI、利回りと成長性を重視するならJEPQと、自分の目的に合わせて選ぶのがよいと思います。
働かなくても毎月お金が入ってくる仕組みを作れることに何よりも魅力を感じる人にとって、JEPQは良い選択肢の一つになるのではないかと思います。
※本記事のデータは2026年10月23日時点のものです(出典:stockanalysis.com、JPMorgan Asset Management、楽天証券、みんかぶほか)。投資の判断はご自身の責任で行ってください。


コメント